ハリウッド映画も中国で稼ぐ時代!
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が中国、韓国、香港などで5月21日から公開された。アメリカより1ヵ月以上早い異例の公開だ(アメリカでは6月25日公開)。24日までの3日間のオープニング興収は海外8ヵ所で1億6240万ドルをあげ、大ヒットスタートを切った(Variety調べ。以下同)。中でも中国の興収が大きく、1億3500万ドル(約147億円)だった。シリーズのオープニング興収では『ICE BREAK』の1億8500万ドルに次ぐ成績だ。
ドミニク(ヴィン・ディーゼル)たちの前に立ちはだかる敵はドミニクの弟ジェイコブ(ジョン・シナ)。『ICE BREAK』で登場した悪女サイファー(シャーリズ・セロン)が再登場するほか、『TOKYO DRIFT』で死んだはずのハン(サン・カン)も登場する。
近年の『ワイルド・スピード』は中国での総興収が伸びており、アメリカを上回るほどの人気となっていた。
『ユーロ・ミッション』(13年)アメリカ2億3900万ドル、中国6600万ドル
『SKY MISSION』(15年)アメリカ3億5300万ドル、中国3億9100万ドル
『ICE BREAK』(17年)アメリカ2億2600万ドル、中国3億9300万ドル
『スーパーコンボ』(19年)アメリカ1億7400万ドル 中国2億100万ドル
中国ではコロナの感染拡大が収束し、映画興行が活況。21年は『你好、李煥英』(8億2200万ドル)、『唐人街探偵 東京MISSION』(6億8600万ドル)といった自国産映画が驚異的な大ヒットを記録している。アメリカも映画興行は通常に戻りつつあるが、『ワイルド・スピード』人気の高い中国での公開を先行させた格好だ。
『ゴジラvsコング』も中国の興収がアメリカを上回っている(アメリカ9500万ドル、中国1億8800万ドル)。ハリウッドメジャー大作は世界を対象に興行するが、自国内より中国で稼ぐ作品が増えていきそうだ。(文:相良智弘/フリーライター)
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