『カムイ外伝』出演のイーキン・チェンが、崔監督の粋な演出に感激!
7月4日、東京・六本木ヒルズアリーナで、『カムイ外伝』のイベントが行われ、俳優のイーキン・チェン、崔洋一監督、谷垣健治アクション監督が登壇。500人のファンを前に息もぴったりのトークを繰り広げ、撮影裏話などを語り合った。
白土三平の傑作マンガを映画化した作品で、江戸時代を舞台に、忍者の掟を破り組織を追われた主人公カムイの孤独な旅路が描かれていく。香港スターであるイーキンにとって初の日本映画となるが、カムイを執拗に追うかつての仲間を見事に熱演。キャスティングについて崔監督は、「この人しかいないでしょう。スターということだけでなく、過去のお仕事を拝見し、私の求めている世界観が重なったことが最大のキャスティング理由です」とコメント。イーキンは、「誉めすぎです」と照れながらも「嬉しいです。ありがとうございます」と笑顔を浮かべた。
忍者を演じたことについては、「小さな頃から日本の忍者が大好きだったので、初の日本映画が忍者役で本当に嬉しい」とイーキン。「全てがチャンスだととらえていた」という彼は、撮影前に日本の武術も学んだという。「香港映画では、現場に行って習い、すぐに本番。事前に練習の時間をとっていただけるのはとても嬉しかった」と、撮影スタイルの違いについても語っていた。
香港映画で何度も仕事をしたことのある谷垣アクション監督の存在はイーキンにとって心強いものだったに違いなく、「改めてお礼を言いたい。初めての日本映画でご一緒できてよかった。ありがとうございます」と感謝。谷垣アクション監督も「ワイヤーが得意だと、以前から話していましたが、今回も沖縄の崖で挑戦してもらいました。慣れている香港のアクションクルーではなかったので最初は恐かったと思うけれど、私たちを信頼し、頑張ってくれました」と、イーキンとの撮影を振り返った。
業界では武闘派監督として名を馳せ、スタッフから恐れられているらしい崔監督だが、その素顔について「大人なのに、やんちゃな方だと思います」とイーキン。今回、一番印象的だったのは、監督の粋な演出によるラストカットの撮影だったと教えてくれた。「監督から『もう一度』という声がかかり、もう一度やりました。そうしたら照明が変わり、音楽が流れてきた。それは、監督が用意してくれたエンディングセレモニーだった。香港ではそんな経験をしたことがなかったので、印象深かった」。崔監督によると、「(イーキンの)最後の場面を迎える時に、私の気持ち、お礼を申し上げたかったので、あらかじめスタッフにお願いしておきました」とのこと。そして、「実はそれを決めたのは、谷垣アクション監督です」と打ち明けていた。
その谷垣アクション監督は映画について、「この映画のお話をいただいてから、僕でさえ4年。監督はもっと長い時間をかけたわけですが、その作品がようやく完成し、とても密度の濃い作品になりました」と感慨深げ。また崔監督は、「このようなチームで仕事できたことは監督冥利。みなさん劇場でお待ちしています」と語り、自信作をアピールしていた。
『カムイ外伝』は、9月19日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開される。
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