年間平均気温−54℃の南極ドームふじ基地に暮らす8人の南極観測隊員たち。日本から遠く離れた極寒の地で暮らす彼らの姿を、あたたかな視点でユーモラスに描いた『南極料理人』のプレミア試写会が、7月27日に都内劇場で行われ、堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補らキャストと沖田修一監督が舞台挨拶に登壇。思い出深い撮影を振り返った。
タキシード姿で登場した6人。堺に向け客席から「格好いい!」という声も挙がる中、「女性の視線が堺君にしかいかないのがとても不愉快」とライバル心を露わにしたきたろう。「この『南極料理人』は、氷の世界ですが、とってもあったかいです」と、とっておきのコメントで見どころをアピールしていた。
一方、生瀬は、「これから(試写を)ご覧になるということで犯人はお教えできないのですが、スリルとサスペンスの作品で、あの爆発はスゴイと思うので、みなさん、ぜひ最後のダイナミックな部分をお見逃しなく……」と、映画とはまったく違う「架空の見どころ」を語り、場内をわかせていた。
基地の料理人を演じた堺。次から次へと登場する、思わずお腹が鳴りそうなほど美味しそうな料理の数々も見どころのひとつだが、料理については「自炊する程度だったので、人様にお出しするような料理はちょっとできないと思っていた」と堺。だが、フードコーディネーターの指導を受け、鍋を煽(あお)ったり刺身を切って盛りつけたりもできるようになったそうで、「まさか、鍋を煽る日が来るとは思わなくて……できた時には感動しました」と感慨深げに語っていた。
また、得意料理について聞かれた堺は、映画の撮影を通して「自分の手がおにぎり向きだということに気づきました。三角のエッジの効いたあのフォルム、かたすぎもせず柔らかすぎもせず……見ていただくと分かると思うのですが、大きさといい形といい、美味しそうなおにぎりができました」と嬉しそう語ったが、「自分のためにおにぎりをにぎることはないので、(撮影後)あまりそのワザは生かされていないんですけど」とちょっと残念そう。
「この映画はすごいお腹が減るので、帰りに美味しいものを食べていってください」と挨拶したのは、最年少の高良。ベテラン俳優たちに囲まれての撮影は学ぶところが多かったようで、「いろんなことを教わりました」と言いつつも、「でも(どんなことを教わったかは)言いたくないんです。自分の中に大事に取っておきたいので」と語っていた。
笑いの絶えない舞台挨拶で、楽しかった思い出が語られる中、生瀬が豊原の役者魂に言及。「(熱いものを飲むシーンで)監督から『美味しそうにどんどん飲んでください』と言われた豊原さんは、100℃近いものを、美味しそうにドンドン、ガバガバ飲んだんです! 後で『こんなになりましたよ』と見せてくれたんですけど、水膨れになったところが割れて……」と惨状を語った。きたろうはそれに続け、「それが役者魂! 学ばなきゃ」と絶賛していた。
最後に堺が挨拶し、「すごく素敵なメンバーで、長い時間をかけて映画を作りました。たくさんの料理が登場するのですが、どれもとても思い出深く、美味しく温かく、そういう料理が揃っています。もし気が向いたら、素敵な方と見にいらしてください」と、劇場に足を運んでもらえるよう呼びかけていた。
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