先日の第33回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞した根岸吉太郎監督の『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』。9月16日にその完成披露舞台挨拶が行われ、根岸監督と主演の松たか子、浅野忠信が登壇した。
壇上には監督賞のトロフィーも飾られていたが、司会者から「これは、監督のもの?」と聞かれた根岸監督は、「もちろんです」と断言。「でも今は(配給会社の東宝に)取り上げられていて……」と苦笑いしていた。ちなみにとても重いそうで、授賞式で掲げていた時も、段々、持ち上げているのが困難になってきたと語り、場内から笑いが巻き起こっていた。
映画は、今年、生誕100周年を迎える太宰治の同名小説をもとにした作品で、破滅的な生活を送る小説家と、彼を献身的に支える妻の絆が綴られていく。会場には、その太宰治をかたどった「太宰ねぶた」も登場。太宰の故郷・青森の職人が2週間かけて作ったそうだが、「ねぶたを初めて見たのですが、すごいインパクト」と浅野。監督も「ヤンキーっぽいね。いろんなねぶたを見たけど、別の迫力がある」と共に微妙な反応を見せていた。
この日の松と浅野は和服姿。母親から譲られたという着物を着た松を見て監督は、「色っぽいですね〜」と感に堪えない様子。映画の中でもずっと和服姿だが、つつましい生活ぶりを出すために安い着物を着せられていたそうで、監督は「今日はまた違いますね〜」と目を細めていた。
一方、浅野の着物姿について松は、「(今日の浅野を)ステキじゃないという人がいます? 着物に着られてしまう人は多いけれど、すごく自然に着こなされていてステキです」と誉めていた。
モントリオールでは、松が演じるヒロインに共感するという人が多かったそうで、「迷いの中にある強さを、世界中の女性が受け止めてくれたんだなと思った」と監督。松と浅野の演技も素晴らしく、「(これまでよりも)一段とグレードアップした演技を見せてくれている。芝居を超えて、映画の中に生きているという感覚があった」と語り、「ずっと興奮しながら撮影していました」と明かした。
折しもこの日は、ついに鳩山由紀夫首相が誕生し、政権交代が実現した記念すべき日。司会者から映画好きという新首相夫妻へのメッセージをうながされた根岸監督は、「これからの日本を背負って立つには、こういう映画を見てもう一度原点に立ち返って、次の方向に歩みだしてほしい」と語り、「ぜひ、この映画を見てください」と夫妻にメッセージを贈っていた。
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