天才チャーリー・カウフマンが語る『脳内ニューヨーク』
カルト的人気を誇る『マルコヴィッチの穴』やアカデミー賞脚本賞受賞作『エターナル・サンシャイン』を手がけた脚本家チャーリー・カウフマンが、遂に待望の監督デビューを果たした! 豊かな想像力で、常に観客を驚かせてきた彼のデビュー作のタイトルは『脳内ニューヨーク』。失敗続きで人生に行き詰まった劇作家が、人生をやり直すために、彼の頭の中にあるニューヨークを現実のニューヨークの中に再現するというストーリー。奇想天外な映画を監督したカウフマンが、初監督作について語った。
「まるで魔法を見ているよう」「これまでに経験したことのないもの」という感想が相次ぐ『脳内ニューヨーク』だが、この反応について、「私は、人がどんな風に作品を受け止めるかということについては考えないんだ。未知のことにチャレンジして、経験したことのないものをやっている」と監督。
そんな彼に、今回、監督に挑戦した感想について聞くと──。
「監督することは夢だったから、とても良い経験になった。大学の映画学科で勉強したし、ずっと監督になりたいと思っていたんだ。監督の仕事は気に入っているよ」
では、脚本家と監督の仕事に違いは感じたのだろうか?
「脚本を書く作業は、世間と没交渉になり自分の世界にはまり込むけど、監督は外に出て行って、人々に指示をしてコミュニケーションをとる仕事。脚本家業と監督業を両方やるとバランスが取れるからいいよね。家で脚本を書いていると、とても閉鎖的で孤独で、時々、悪夢を見ているような気がする。もし機会があったら、また監督してみたいと思っているよ」
「もうひとつのニューヨーク」を作ろうという壮大なプロジェクトに着手することになる主人公を演じるのは、『カポーティ』でオスカーを受賞したフィリップ・シーモア・ホフマン。
「この映画には優秀な俳優が出演している。中でもフィルは特に素晴らしく、彼以外にあの役は考えられない。私が選んだ夢のようなキャストだよ。現場で監督をはじめてすぐに、このキャスティングで成功だったと思ったよ」
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