時は江戸時代。代々、加賀藩の財政に携わってきた会計専門家・御算用家である猪山家の歴史を追ったベストセラー『武士の家計簿』。この歴史書の映画化を、アスミック・エースと松竹が発表した。
主演は、『篤姫』の徳川家定役で大ブレイクした堺雅人。堺が演じるのは、猪山家の8代目・直之。同僚から「そろばん馬鹿」とも揶揄(やゆ)される直之が、制度疲労を起こしていた武士社会の中で一家挙げての倹約生活を実行し、世間からの好奇の目にさらされながらもたくましく生きていく姿が描き出される。一方、そんな直之の良き理解者として明るく献身的に倹約生活を支える妻・お駒を仲間由紀恵が演じる。演技力に定評のある2人が見せる、一風変わった時代劇に、早くも期待が高まっている。
出演について堺は「実在の家計簿をもとにした物語ということろが、とても面白いと思いました。今回、僕が演じるのは、加賀藩の御算用者(ごさんようもの)で、派手なチャンバラなどはありませんが、幕末・明治という激動の時代に、誇りを持って生きた1人の侍の姿をお見せできればと思っています」と抱負を語った。また仲間も「駒は、気取らず働き者で芯が強く、夫をきちんと理解して支える、時代を超えた理想ともいうべき女性なので、やりがいと共に緊張を感じています。『夫』である堺さんとのお芝居を楽しみながら、凛として演じられるよう、一所懸命頑張ります」と語った。
監督は、やはり「お金」をテーマにした監督作『わたし出すわ』が公開中の森田芳光。「お金」づいている感もある森田監督だが、「時代劇に今までまったくなかった視点で、武士の物語を描く意義を感じています。時代の激変を、腕と家族の団結で乗り越えていく姿を、今では稀な三世代家族の温かさ、ユーモアも交えて描きたい」と意気込みを述べた。
撮影は12月1日に金沢でクランクインする予定。クランクアップは1月末と見られており、来年中に公開される模様だ。
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