世界を股にかけ活躍する敏腕スパイのマイケル・ウェスティン。今日も、ナイジェリアで工作活動中だったが、突然の組織からの電話で、いきなり解雇されてしまう。敵に囲まれ危機一髪の状態から、命からがら脱出したマイケルは、故郷のマイアミに戻る。そこで彼は、自分を解雇した理由を探る傍ら、元カノでやり手のフィオナ、以前は軍情報部に所属していたサムとチームを組み、マイアミで起こるいろいろな事件の解決を請け負うようになる。
クールでスゴ腕ながら、母親には頭が上がらなかったり、元カノのフィオナにも弱かったりと、コミカルな面も魅力な主人公マイケル。この役の日本語吹き替えを担当しているのが栗田貫一だ。「ものまね四天王」としても知られ、人気アニメ『ルパン三世』でルパンの声も担当する栗田に、吹き替えを担当したドラマ『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』の見どころや、マイケルの声を演じた感想などを語ってもらった。
マイケルはルパンっぽい!
──まずは、マイケルの声を演じるに当たって気をつけたことを教えてください。
栗田:ルパンにならないように、かな(笑)。僕の中に地雷みたいなセリフがあって、例えば台本に、ルパンが使うような「ドロボー」って言葉が出てきたりすると、つい「ドロボー?」(ルパンみたいに語尾をあげて)って言ってしまいそうになるんですよね。
──ルパンとマイケルは、一見違って見えますが、実は似ている面も多いですよね。
栗田:そう。例えば銃を突きつけられているのに、「それ、安全装置がはずれてないよ」と言って、相手が目をそらした瞬間にやり返したり。やられそうなのに、全然動じていないし、怖がってもいない(笑)。そういう危機を解決してしまう何かをマイケルも持っていて、そこがルパンっぽいって思います。あと、女の子を助けて感謝され、チュウってされたとき、どうしていいのかわからなくてテレたり……。
──ご自身ではマイケルをどのように演じようと?
栗田:ジェフリー・ドノヴァンという俳優がマイケルの役を演じているのですが、1番の目標は、僕ではなく、マイケルが日本語を喋っているように見えることなんです。僕が喋っていると思われないのが理想ですね。
──最初にこのドラマを見たときの印象は? また、マイケルはどんな男だと思った?
栗田:マイケルは最初、野暮ったい男だなって思いましたね。何かカッコ悪くて。最初のエピソードが1〜2話目で完結となっているんですけど、1話目なんて、まったりしていてつまんないって思ってたくらい。それが、2話目に入り、事件を解決していく様子を見ていると、「こいつカッコイイじゃん!」って。そう思い始めたら、どんどんよくなって、これはみんなハマるんじゃないって思っていたら、自分がハマっちゃった(笑)。
──マイケルが実はマザコン気味で、母親から電話がかかってくると急に変わったりするシーンは、栗田さんならではと思いました。
栗田:実際、僕も自分の親に対して、あんな感じなんです。電話に出るのもイヤで。別に子どもじゃないから怒られないんだけど、何か怒られそうだし、怒られないまでも、嫌味を言われるんじゃないかって(笑)。大体、男ってそんなもんですよ。「最近、電話くれないじゃない」って言われたり、ママへの接し方が自分っぽいんですよね。
──声優を務めるに当たって、モノマネをやっていたことがプラスに働くことはあります?
栗田:役に立っているんでしょうね、間違いなく。特に、いろいろな人間に瞬時にならなくてはいけないシーンが出て来たりするので。そういうときに、準備をせずにできたらいいなって思います。喋りながらポンと変われる瞬間は、やはりモノマネで鍛えたからできることかな。
──最後に、『バーン・ノーティス』の見どころを教えてください。
栗田:『24』や『プリズン・ブレイク』などのドラマにハマっていた方はもちろん、ホームドラマとしても、ご家族そろってご覧いただける作品です。日本で家族揃ってご覧になれるドラマが少ない中、このドラマは一話完結で単純明確。カッコイイマイケル、情けないマイケルと、いろいろなマイケルが登場し、フィオナとサムという仲間たちと繰り広げる、オシャレなスパイ・サスペンスに仕上がっています。家族揃ってご覧になれる作品なので、ぜひ、お楽しみいただければと思います。
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