美肌加工されたくない! セレブたちの意思が無視され、修正写真がはびこる理由とは?

#ケイト・ウィンスレット#スカーレット・ヨハンソン#修正

ケイト・ウィンスレット
『アンモナイトの目覚め』のケイト・ウィンスレット
(C)2020 The British Film Institute, British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited

セレブ本人の意思は無視? 写真加工がはびこる理由

ケイト・ウィンスレットが、主演ドラマの1シーンで映像の加工を提案され、「ありえない」と拒否した。

キーラ・ナイトレイが、胸の写真を修正しようとする映画会社を批判!

ウィンスレットはHBOのリミテッド・シリーズ『Mare of Easttown(原題)』で殺人事件の捜査にあたる刑事のメアを演じている。

ウィンスレットが「New York Times」のインタビューで語ったところによると、クレイグ・ゾベル監督が、彼女とガイ・ピアースのセックスシーンで「おなかのたるみ」をカットしようかと提案した際、ウィンスレットは「そんなことしないで!」と言ったそうだ。

「中年女性としてメアを演じることで、人々がこのキャラクターに共感してくれたのではないかと思っています。私は10月に46歳になるし、共感を得られたのは、明らかになんのフィルターもかかっていないからでしょう」

メアについて「自立していて、同時に欠陥も抱えている女性で、容姿の動きはその年齢や人生、彼女の歩みを表している。私たちはそういう表現を渇望していたと思う」と語るウィンスレットは、番組の宣伝ポスターでも過度にレタッチされていたため、2度つき返したという。

「勘弁してくださいよ、と言われたけど、私は自分の目尻のシワが何本あるか知っているの。だから元に戻してください、と言った」

 

ウィンスレットは20代の頃から写真加工に対する抗議を続けている。2003年に男性誌「GQ」の表紙になった際に体型を細く加工された際、「脚の太さが3分の1くらいになっている」と指摘し、「私はこんな姿に見えないし、何よりもこんな姿になりたいとも思わない」と違和感を語っている。

2014年にも、雑誌「Vanity Fair」誌上でスカーレット・ヨハンソンと共に完全ノーメイクで登場。真正面からカメラを見据えたその写真をのちにFacebookにアップし、「肌にシワがあるのはわかっているけれど、それを超えたものを見てほしい。私は本当の自分を受け入れたいし、あなたがたにも自身をありのままに受け入れ、ありのままの自分を愛してほしいと思います」と、メッセージを送っていた。(投稿は現在削除されている)

広告や雑誌に登場するセレブの写真は、本人たちの意向とは無関係に加工されることも多い。肌のシワやしみ、セルライトを消したり、体型や顔の輪郭まで手を加えることがある。

不自然に美化された姿に影響された人々がメイクや画像加工を過剰に頼ったり、無理なダイエットに走る風潮が後を絶たないことに警鐘を鳴らすのは、まさにセレブ本人たち。ウィンスレットの後を追うように、年齢を問わず多くのセレブ女性たちがありのままの日常のスッピンや、セルライトが見える水着姿などをSNSにアップするようになって久しいが、それでも人工美推奨派との攻防はいまだに続いている。

人の容姿はそれぞれ違う。シャロン・ストーンのように、頑張りすぎないエクササイズを続けて60代でビキニ姿を披露する場合もあれば、ウィンスレットのようにリアリティのある体型を演技に生かす場合もある。彼女のように声を上げ続けることで、映画やドラマ、CMといったメディアがあらゆる容姿をそのまま伝え、それぞれの美しさを認め合う価値観が育つことに期待したい。