昨年12月18日に世界同時公開。日本でも同月23日に公開となった『アバター』が、公開21日目にして世界興収11億3165万ドル(1018億円/1ドル90円換算)を稼ぎ出し、それまで2位だった『ロード・オブ・ザ・リング・王の帰還』の11億1910万ドルを超え、歴代2位に躍り出たことがわかった。
上にあるのは、ただ1つ、1997年に同じジェームズ・キャメロン監督が打ち立てた『タイタニック』の18億4290万ドル(1658億円)だけ。その差を日本円に換算すると640億円。これまでに稼いだ額が1018億円なので、あと378億円で追いつく計算だ。ちなみにこの数字は、アメリカ国内の興収記録で15位の『ジュラシック・パーク』を抜く数字。全世界興収で1位と2位を独占し、貫禄を見せた。
今後、注目となるのが『タイタニック』を抜けるかどうかだ。両者には幾つかの違いがある。第1に尺の長さ。『アバター』の2時間42分に対し、『タイタニック』は3時間9分と、より上映時間が長いため、同じスクリーンで1日に上映できる回数が異なってくる。『アバター』なら1日4回上映できても、『タイタニック』は3回が精一杯。とはいえ『タイタニック』は、1日に上映できる回数が少なかったからこそ、いつも満員に見え、結果的にロングランにつながったとも言われているが。
第2がシネコンの時代に変わっていること。ブロックブッキング中心だった時代なら、配給元がある程度、上映期間などをコントロールできた。が、シネコン時代は数字がすべて。興行会社はほかの配給会社との付き合いもあるため、そうそう1つの映画にいい顔をしてはいられない。数字が落ちてきたら、「そろそろ」という話しが出るに違いない。
そして第3に3D。まだまだ、2Dに比べ、3Dのスクリーン数が少ないのは、どこの国でも一緒。日本では、シネコン1館に対し1スクリーンあれば良い方。そこをどう、シネコンが切り盛りしていくかにも注目だ。
ちなみに、編集部がもっとも注目しているのが、その後。これだけ売れた3D作品がどうパッケージ化されるのか。3Dのデジタル家電も急激に進化し普及する中、普通(2D)のDVDに留めて未来を待つのか、3Dだが色味が表現しきれないDVDでリリースするのか、はたまた、これまで以上に高品質の3D・DVDを出してくるのか? キャメロン監督作だけに、どんな魔法を見せてくれるのかにも期待がかかる。
『アバター』はTOHOシネマズ日劇ほかにて全国拡大公開中。
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