ぬめぬめしたものがうなじを逆なで! 狂気に叫び出したくなるスリラー
#ウィレム・デフォー#ミッド・サマー#ライトハウス#ロバート・エガース#ロバート・パティンソン#中野京子#人間食べ食べカエル#実話#小島秀夫#桜庭一樹#深緑野分
ゲームクリエイターも思わず唸る! こだわりの絵作り
ロバート・パティンソンとウィレム・デフォーのW主演で話題のスリラー作品『ライトハウス』が7月9日に公開される。このたび、著名人からのコメントが公開され、合わせて本編動画も公開された。
・絶海の孤島に閉じ込められた男たちの狂気が始まる…実話を元にしたスリラー
作家の桜庭一樹は、本作品で続くウィレムとロバートのセリフの応酬を”拳と盾”に例え、「2人の命を賭けた縄張り争いのドラマから、“言葉とは何か?”を今一度深く考えさせられた」とコメント。
そして作家の深緑野分は、「光は呼ぶ、闇を、狂気を、渦潮から何者かを。ぬめぬめしたものが観客のうなじを逆撫でし、本当に狂っているのは誰かもわからなくなり、叫び出したくなる」と、見る者をも狂気に陥れる本作の魅力を表現した。
また、作家でドイツ文学者である中野京子は、「灯台守にしてポセイドン、樵<きこり>にしてプロメテウス。そしてこれまで見たどんな人魚よりも怖い人魚!」と言い得て妙のコメント。
ホラー映画コンシェルジュで人喰いツイッタラーの人間食べ食べカエルは、「画面に映るのはおっさんと灯台と動物だけ。なのに何だこの情報量の多さは! 超絶変態演出の洪水に溺れる。特に灯台を○○○に見立てたシーン、本当に参りました……」と述べ、恐怖映画を見慣れた目からもクレイジーな作品であることを明かした。
メタルギアシリーズを生んだゲームクリエイターの小島秀夫は、35mm/モノクロにこだわった映像と画角に着目。「閉塞感を煽る真四角に近いスクリーン、ふたりの役者、黑く畝る海、海鳥の鳴き声、仄かに薄暗い灯台。たったこれだけの素朴な古典的画材でエガース監督は才能をまた見せつける」と、吟味された絵作りに驚嘆している。
夢と現実が曖昧に…本編動画が公開
同時に公開された本編動画は、真っ暗な夜の浜辺を歩いていたイーフレイム・ウィンズロー(ロバート)が導かれるように海中へと引き込まれ、“人魚”に迫られる悪夢に怯える場面を切り取ったもの。
やがて夢うつつが曖昧なまま徐々に目覚めると、次々と仕事を指示してくるトーマス・ウェイク(ウィレム)の言葉で我に返り、ベッドから起き上がる。
背景に流れるのは、ロバート・エガース監督がこだわったという弦楽器の音。『CUBE』(97年)や前作でもある『ウィッチ』(15年)などを生み出したホラー映画音楽の巨匠マーク・コーベンが恐怖をジワジワと炙り出すようなアナログサウンドで、不穏な雰囲気を生み出している(https://youtu.be/vFK6nfGtOtU)。
イギリスでの実話をベースにしたスリラー作品
本作品の舞台は、1890年代のニューイングランドの孤島。2人の灯台守が4週間にわたって、灯台と島の管理を行う仕事を任されることになる。しかし、ベテランのトーマス・ウェイクと若者イーフレイム・ウィンズローは、そりが合わずに初日から衝突。険悪な雰囲気の中、やってきた嵐のせいで2人は島に閉じ込められてしまう……。
この作品は1801年にイギリス・ウェールズで実際に起きた事件がベースとなっており、モノクロ映像や正方形に近い画角にこだわった絵作りで、アカデミー賞撮影賞にノミネートされた。また、緊迫感を煽る音響も評判を呼び、カンヌ国際映画祭監督週間でのプレミア上映を果たした。
『ライトハウス』は7月9日に公開される。
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