大ヒットホラー『パラノーマル・アクティビティ』監督が怖いものとは?

オーレン・ペリ(Oren Peli)……1971年イスラエル生まれ。19歳でアメリカに移住した。故郷では高度な商業用ペイントプログラムを作成するために16歳で高校を中退。その後、フルタイムのソフトウェアデザイナーとなり、そのスキルを活用してアニメーションプログラムを作成。最終的にゲームソフトを開発した。本作で監督デビュー。次回作『Area51』(10)では製作費500万ドル(約4.5億円)を預かり、脚本も担当する。『パラノーマル・アクティビティ』の続編制作が実現すればプロデューサーとして参加予定。
オーレン・ペリ(Oren Peli)……1971年イスラエル生まれ。19歳でアメリカに移住した。故郷では高度な商業用ペイントプログラムを作成するために16歳で高校を中退。その後、フルタイムのソフトウェアデザイナーとなり、そのスキルを活用してアニメーションプログラムを作成。最終的にゲームソフトを開発した。本作で監督デビュー。次回作『Area51』(10)では製作費500万ドル(約4.5億円)を預かり、脚本も担当する。『パラノーマル・アクティビティ』の続編制作が実現すればプロデューサーとして参加予定。
オーレン・ペリ(Oren Peli)……1971年イスラエル生まれ。19歳でアメリカに移住した。故郷では高度な商業用ペイントプログラムを作成するために16歳で高校を中退。その後、フルタイムのソフトウェアデザイナーとなり、そのスキルを活用してアニメーションプログラムを作成。最終的にゲームソフトを開発した。本作で監督デビュー。次回作『Area51』(10)では製作費500万ドル(約4.5億円)を預かり、脚本も担当する。『パラノーマル・アクティビティ』の続編制作が実現すればプロデューサーとして参加予定。
オーレン・ペリ監督(左)と製作総指揮のスティーヴン・シュナイダー
「パラノーマル・アクティビティ」より
(C) 2009 Oren Peli d.b.a. Solana Films.

2009年秋、世界を驚かせるニュースが駆け巡った。日本円にしてわずか135万円($15,000)で製作された1本のインディーズ映画が、全米12スクリーンで9月にレイトショー公開されるや人気を博し、5週目に全米1位を獲得。最終的には、興収1億ドル(90億円)を突破する異例の大ヒットとなった。

物語は、ある一軒家に住む若いカップルが、寝ている間に家の様子が変化していることに気づき、原因をつきとめようとするもの。そのために彼らは生活の一部始終をビデオカメラで撮影することを思いつく。映画はそのカメラに映っていた映像をまじえながら進行。一見、何気ない映像の中に、聞き慣れない音などが混じり、観客を震え上がらせる。

監督はイスラエル出身のオーレン・ペリ。これが初監督となるペリと、製作総指揮のスティーヴン・シュナイダーに、映画製作の裏話を直撃した。

[動画]『パラノーマル・アクティビティ』予告編

──ソフトウエアデザイナーだったペリ監督にとって、これが初監督作品になります。この映画を撮ろうと思った理由は、もともと映画を撮りたくて準備をしてきたから? それとも本作のアイデアが浮かんだから?
ペリ:映画を撮りたくてというのと、アイデアがあったから、この両方がちょっとずつ入っている感じですね。映画監督になりたいという夢は、何となくあったんです。ただ、それを追求しようとは思わなかった。なぜなら、監督になるのはそんなに簡単ではないと、よくわかっていたから。
 ただ、『オープン・ウォーター』とか『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のような、“裏口”から映画監督になっている人たちを見ていると、「自分にもいつの日か、いいアイデアが浮かんだら、そのときは」と思っていたんです。だから『パラノーマル・アクティビティ』のアイデアが浮かんだとき「やってみよう」と、そう思って。

────映画は大成功しましたが、自分自身では、どの段階で成功を確信しましたか?
ペリ:劇場公開というチャンスさえ与えられれば、結構、いい成績は残せるのではという思いはありました。ただ、この映画が本当にヒットすると思えたのは、北米公開の初日になってからです。ミッドナイト上映だったのですが、どんな様子か、みんなでこっそり劇場に見に行ったら、人の列ができていた。それも劇場の周りワンブロックを取り巻いていて、駐車場にまで人がいる。それを見て、一緒にいたマネージャーから「こんなに人が並んでいるのは『スター・ウォーズ』『E.T.』以来だ」と言われ、「あ、もしかして」と思いました。

────その5週後に興収成績が北米1位になったときの感想は?
ペリ:ベリーナイス(笑)。

────劇場公開に当たって、エンディングがオリジナルから変わっているそうですが、その理由は?
ペリ:ドリームワークスが、この映画をリメイクでなく、このままで公開すると決めたときに、エンディングも、さらに良くしようという話が出て、いろいろと考えました、そのなかでスティーヴン・スピルバーグが「こうしたら」と提案してくれたバージョンがあって、モニター試写をしたらその反応が良かったんですね。なので、北米や日本公開のエンディングはスピルバーグ監督版になっています。

────監督・キャストとも、ほぼ無名で認知度が低い映画は、なかなか大ヒットしないのが現状です。そうしたなかで、この作品が1億ドルの大ヒットを記録した背景には、どんな宣伝方法があったのでしょうか?
シュナイダー:私自身はこの映画が1億ドルの大ヒットに値する作品だと思っています。ただ、認知されないと興行成績を上げることが難しいのも事実で、有名な監督やハリウッドスターが出演しているわけでもなく、製作費も135万円と、プロダクションバリューを大きく見せることができない本作は、観客にとって安心して楽しめる遊園地のような安全パイな作品ではないんですね。だからまず、「見ようよ」と思わせるアイデアを駆使したマーケティングが必要だったわけです。それなくして、ここまで認知度が高まらなかっただろうし、観客にとっても、知名度が低いがために、素晴らしいホラー映画を見る機会を失ってしまうことになる。
 今回、北米のマーケティングは革新的でした。映画同様、コストは非常に低いんです。使ったのは“バイラルマーケティング”。インターネットを利用し、口コミを広げる宣伝方法を採ったのです。テレビCMや紙媒体への露出は非常に少なく、代わりにネットを通じて、ファンの方が「自分の街で作品を上映してくれ」と言ってくるようなシステムを作りました。ファンが「次はこの町で」と投票し、ファンの力で公開するというマーケティング方法です。これによって拡大公開に結びつけることができたんです。

────監督の自宅で撮影されていますが、撮影に当たって何か手を加えましたか?
ペリ:かなりいじりました。階段の支柱を素敵なものに変え、カーペットを全部フローリングに変えたりとか。壁も色を塗り替え、絵を新しく飾ったり、ベッドがマットだけだったので、きちんとしたベッドを買ったし、ドアも付け替えました。かなり大がかりでしたが、もともと模様替えをしようと思っていたので、その言い訳でもあったんです。実はまだ、その家に住んでいて……。

────住んでる? そうすると自宅が観光地と化していません?
ペリ:最初に北米公開されたときは、結構、そういうことがありました。

────最後に、監督自身は怖がり屋でしょうか? もし、怖がり屋なら、何が怖い? また、ホラー映画で怖いと思うものがありましたら教えてください。
ペリ:一番怖かったホラー映画は『エクソシスト』ですね。見た後しばらくは、幽霊もの、悪魔ものの映画は怖くて、一切見られませんでした。あと、僕の怖いものは野菜ですね。野菜なら、どんな野菜も怖いと思っているんです(笑)。

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