失恋のショックで声が出なくなってしまった主人公が、故郷に戻って小さな食堂を開き、小さな奇跡を起こしていく様子を描いた心温まる『食堂かたつむり』。幅広い年齢層の女性たちから圧倒的な支持を得ている小川糸の同名ベストセラーを映画化した作品だ。この映画が2月6日に公開初日を迎え、キャストの柴咲コウ、余貴美子、ブラザートムと富永まい監督が、TOHOシネマズ シャンテで舞台挨拶を行った。
主演の柴咲は「みなさんに見ていただく日を無事迎えられて嬉しいです」と挨拶。映画については、「この映画に関わることができ、前の自分よりも優しくなれた気がします。見る人にも、柔らかく優しい気持ちになってもらえたら幸せです」と語った。
繊細な心を持ち、声を失ってしまう主人公・倫子を演じた感想については、「普段はあまりないのですが、今回は倫子に共感したり感情移入しながら演じることができた」と柴咲。その母で奔放な女性を演じた余は「中年男性が整形して女装した感じという原作のイメージを壊さないように気をつけました(笑)」。倫子を何かと助けてくれる優しいおじさんを演じたトムは、「足を悪くて少しひきずっているという役だったのですが、撮影前に家の玄関で練習していたら、小指を石にぶつけて骨折してしまいました。ですので、映画のなかでは、本当に足をひきずっているんです」と、意外な裏話を明かし、場内のあちこちから「エ〜!?」という驚きの声があがっていた。
仲の良さがにじみ出ているような4人だが、余はすっかり柴咲のファンになってしまったと告白。「柴咲さんから写真集もいただきまして、ライブにも行こうかなと思っています」と話したところ、トムが寂しそうに「写真集をいただいていない……。こんなに親しくしていただいたのはウソだったんだな、それだけの(心の)距離があるんだな……」とつぶやくと、柴咲は、ウッカリしていたことを詫びる様子で「後で、後で」と、後でプレゼントすると必死にフォローしていた。
バレンタインデーが間近に迫ったこの日、映画にちなんだ“かたつむり型”の大きなチョコに、柴咲が、仕上げのハートマークを描き加えるという演出も。だが、デコレーションするためのピンクのチョコが温かさで溶けてしまっていたようで、トム曰く「ビミョ〜」な出来になり、柴咲も苦笑いしていた。
また、チョコレートにちなみ、司会の青木裕子アナウンサーから「大切な人とのスウィートでハッピーなひととき」について聞かれた柴咲。「スウィートでハッピー?」とぶっきらぼうな語調で確認したところ、トムから「ケンカ売ってんの(笑)」と突っ込まれ、「すみません! 言い方がぶっきらぼうで……。(ケンカを売るつもりは)決してありません」と、これまた必死でフォローしてから、「友達でも家族でも恋人でも、ご飯を一緒に同じ食卓で食べられるのが、幸せなひとときだと思います」と答えていた。
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