山田洋次監督、吉永小百合主演の『おとうと』(『About Her Brother』)が、第60回ベルリン国際映画祭のクロージング作品として、2月20日(現地時間)に上映された。
上映後、メイン会場のベルリナーレ・パラストで、山田監督と吉永が舞台挨拶。吉永はドイツ語で「ベルリン映画祭に3度参加できて、とても幸せです。2年前に『母べえ』を上映したときの、みなさまの温かい拍手が、今でも胸のなかに残っています。また、『おとうと』も皆様の心に残る映画になっていることを願っています。ありがとうございました」と挨拶し、満員の客席から大きな拍手を送られた。
またこの日は、特別功労賞(ベルリナーレ・カメラ)が山田監督に送られた。日本人監督の受賞は、市川崑監督、熊井啓監督に続き3人目。映画祭ディレクターのディーター・コスリックから「小津安二郎の伝統にのっとって映画を作り、ベルリン映画祭に、すでに7回出品している巨匠」と紹介された山田監督。「この映画は、市川崑監督が50年前に作られた同名作品をヒントに作りました。市川監督は10年前に、この同じホールで、同じ賞(特別功労賞)を受賞しています。だから僕は、今は亡き市川監督に、今日の受賞を報告したいと思います」と挨拶した。
さらにその後、囲み取材が行われ、山田監督は「あんなすごい歓声、拍手は想像していませんでした。この受賞は、一生の記念になると思います。長年の功労に対して贈られたのなら、皆でもらった賞だと思う。寺島(しのぶ)さんの銀熊賞受賞も良かった。決して順調とはいえない日本映画だが、このことをきっかけに、日本の時代が来たらいいなぁと思いました」とコメント。また、吉永も「山田監督の授賞式に立ち会えただけで嬉しい」と喜び、「2年前の『母べえ』では(ベルリン映画祭での受賞を逃し)とても悲しい思いをしました。その悲しみは、今回の喜びのための前奏曲だった気がします。私にとって市川崑監督は師匠、山田監督は先生。尊敬するお二人が同じ賞を授賞されたことは、弟子として、生徒として、とても嬉しいこと。きっと市川監督も、天国で喜んでおられると思います」と話していた。
今回、ベルリン映画祭では山田監督の『京都太秦物語』(共同監督:阿部勉/立命館大学・松竹共同製作)もフォーラム部門で上映。同映画祭で、同じ監督の作品が2本上映されるのは、非常に珍しいという。
吉永と笑福亭鶴瓶が姉弟を演じ、家族の絆を描いた『おとうと』。1月30日に封切られた本作は、観客動員数130万人を突破し、全国で大ヒット上映中。
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