1941年に作られた古典的ホラー映画『狼男』をモチーフにしたサスペンスホラー『ウルフマン』に主演、プロデューサーも兼務したオスカー俳優ベニチオ・デル・トロが来日。3月3日にザ・ペニンシュラ東京で記者会見を行った。
ホラー映画好きだというデル・トロは、『狼男』をリメイクした理由について「まず、カラーで作りたいと思った」と説明。より一層、暴力的で血なまぐさい現代的な作品にして、「若い人々にも見てもらいたいと思った」と続けていた。
満月の夜になると忌まわしい殺人鬼に変貌を遂げる主人公の特殊メイクも見どころのひとつ。担当したのは、マイケル・ジャクソンの「スリラー」も手がけたリック・ベイカー。特殊メイクの第一人者との仕事について聞かれると、「撮影中、僕と彼は愛憎関係にあった」と意味深な発言。朝はベイカーのことが大好きなのだが、完成までに4時間、取るのに2時間もかかるメイクをしていると、だんだんベイカーが憎たらしくなってしまうとのこと。ちなみに、メイクした自分を鏡で見た感想は、「セントバーナード犬を飼っているのですが、うちの犬みたいだなと思った」と苦笑いしていた。
スカーレット・ヨハンソンとの仲も取りざたされたことのあるデル・トロ。セクシーな雰囲気も魅力のひとつだが、「セクシーな男の条件とは?」という質問には、「そんな質問をされると、緊張してしまうな」とセクシーボイスで応じてから、「セクシーかどうかは持って生まれたもので、トレーニングしてなったわけじゃない。父と母に感謝しています」と余裕のコメントを述べていた。
また、劇中では肉食系のワイルドな役を演じていたが、実際は草食系と肉食系のどちらのタイプかという問いには、「相手の女性によります」と笑顔を浮かべていた。
とどこおりなく穏やかに進んだ会見も終わりに近づき、司会者が「次が最後の質問です」と言うと、デル・トロは、質問のために手を挙げ続けるも指名されなかった2人の記者に、「ずっと手を挙げ続けてくれたので、お2人の質問まで答えます」と宣言し。時間を気にする司会をしり目に丁寧に回答。父親役を演じたアンソニー・ホプキンスとの共演については、「数十年来のファンで、ずっと憧れていたので、夢が叶ったような思いでした」とコメント。一方、クランクイン直前にマーク・ロマネク監督が、スタジオとの意見の相違から降板するというトラブルが発生したことについて聞かれると、ジョー・ジョンストン監督に代わったことで主人公のキャラクターがノーブルな方向に変化したことや、才能豊かなスタッフ・キャストのおかげで乗り越えることができたことを語ってくれた。
最後のフォトコールでもデル・トロは、まぶしいフラッシュに目をしばたたかせながらもカメラマンのリクエストに丁寧に応じ、時におどけた表情を見せるなどして、記者席からは「かわいい!」という声も挙がっていた。
『ウルフマン』は4月23日より全国公開される。
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