ロサンゼルスのコダックシアターで、現地時間の3月7日夜に第82回アカデミー賞授章式が行われ、戦争の過酷さをリアルに描いた『ハート・ロッカー』が、作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、録音賞、音響編集賞の6部門を制し、本年度最多受賞作となった。
アカデミー協会から「スピーチで涙を見せないこと」などの注意事項が事前に通達されていた今回の授賞式。スピーチに時間が掛かりすぎることからとられた措置だが、多くの受賞者が、涙をこらえ、手短にスピーチを終わらせたため、全体的に素っ気ない印象も……。
作品賞を受賞した『ハート・ロッカー』だが、2月にプロデューサーのニコラス・シャルティエが、関係者に一斉メールを送り自作への投票をプッシュしたことが、特定の候補への投票を促したり他候補をけなさないなどの規則に違反するとして問題となり、アカデミー協会側がシャルティエの授賞式への出席を拒否する事態に。代わりに、ビグロー監督らスタッフがスピーチし、オスカー像を受け取った。
スティーヴ・マーティンとアレック・ボールドウィンが司会を務め、メリル・ストリープやショーン・ペン、トム・ハンクスといったベテラン演技派からゾーイ・サルダナ、キャリー・マリガン、クリスティン・スチュワートら注目の若手まで幅広い年齢のスターたちが出席。メイクアップ賞のプレゼンターを務めたベン・スティラーは『アバター』のナヴィ族のメイクを施して登場、「『アバター』はメイクアップ賞にノミネートされていないのですが」と話し、場内をわかせていた。
昨年『おくりびと』が受賞した外国語映画賞に輝いたのは、アルゼンチン映画の『El Secreto de Sus Ojos(瞳の奥の秘密)』。1974年に起きたある事件を巡るドラマを描いた作品で、アルゼンチンで100万人以上の観客を動員した秀作。
第82回アカデミー賞の受賞結果
【作品賞】『ハート・ロッカー』
【監督賞】キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』
【主演男優賞】ジェフ・ブリッジス『Crazy Heart(原題)』
【主演女優賞】サンドラ・ブロック『しあわせの隠れ場所』
【助演男優賞】クリストフ・ヴァルツ『イングロリアス・バスターズ』
【助演女優賞】モニーク『プレシャス』
【長編アニメ賞】『カールじいさんの空飛ぶ家』
【外国語映画賞】『El Secreto de Sus Ojos(原題)』(瞳の奥の秘密/アルゼンチン)
【脚本賞】『ハート・ロッカー』
【脚色賞】『プレシャス』
【美術賞】『アバター』
【撮影賞】『アバター』
【衣装デザイン賞】『ヴィクトリア女王 世紀の愛』
【編集賞】『ハート・ロッカー』
【メイクアップ賞】『スター・トレック』
【作曲賞】 『カールじいさんと空飛ぶ家』
【オリジナル歌曲賞】The Weary Kind 『Crazy Heart(原題)』
【録音賞】『ハート・ロッカー』
【音響編集賞】『ハート・ロッカー』
【視覚効果賞】『アバター』
【ドキュメンタリー賞】『The Cove(原題)』
【ドキュメンタリー短編賞】『Music by Prudence(原題)』
【実写短編賞】『The New Tenants(原題)』
【アニメーション短編賞】『Logorama(原題)』
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