映画館大賞2010決定!映画ツウが選んだベスト1は『グラン・トリノ』
全国150館の独立系映画館が選んだ「映画館大賞2010」が発表され、栄えある1位に、クリント・イーストウッド監督の『グラン・トリノ』が選出された。
本の賞としてすっかりメジャーになった「本屋大賞」に続け!と、昨年からスタートした映画館大賞。第2回目となる今回は、坂本順治監督、中谷美紀、竹中直人が選ぶ「あの人の1本」も発表された。
阪本監督が選んだのは『ポチの告白』。警察の汚職をテーマにした、善人がひとりも出てこないヘビーな内容の作品で、監督は、「骨もあり、肉もあり、意志もある。声もあり、匂いあり、姿(菅田)あり!」とコメント。
中谷美紀は『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』をチョイス。意外な気もするが、「『夢を叶えるには人生は短すぎる。しかし、夢を諦めるには人生は長すぎる』と、ある監督は言いましたが、この作品はまさにそんな映画でした。ヘヴィーメタルなんて全く好きではありませんでしたし、始まって5分程で劇場を出ようか否か迷ったほど、退廃的で過剰なパフォーマンスに嫌悪感を抱いていたにもかかわらず、いつの間にか中年男たちが必死で夢を追いかけ生きる姿に引き込まれ、最後にはポケットティッシュを使いきってしまいました」と推薦理由を寄せた。
また竹中直人が選んだのは『永遠のこどもたち』。「2009の映画はスペイン、メキシコの合作、そしてギレルモ・デル・トロ・プレゼンツ、J・A・バヨナ監督『永遠のこどもたち』だ。『パンズ・ラビリンス』を見てデル・トロの大ファンになったぼくだけど、まずはタイトルとポスターに惹かれ『ちょっとホラーぽいのかな……?』なんて思いだけで、何の情報もキャッチせず銀座にある劇場に足を運んだ。そして映画が始まってすぐ、スクリーンに映し出される映像の美しさにぐいぐい引き込まれて行ったのだ。怖い、間違いなくめちゃくちゃ怖い……しかしそれだけではない。ぼくは結果『この映画は絶対、見なきゃダメだっ!』なんて言いながら友人を連れ、3度も劇場に足を運んでしまった! キャスト一人ひとりのお芝居が素晴らしい! そしてバヨナ監督の紡ぎ出す映像の美しさ、ロケーションの素晴らしさ! 物語の基本は行方不明になった7歳の息子を探す母の物語である。その母親役を演じるベレン・ルエダという女優の演技が見事だ! 美しく、しっかりとした佇まい、そして彼女の力強い眼差し! 母なる愛! ベレン・ルエダがあってこそこの映画はよりパワーに満ち、愛に溢れる。霊媒師役で登場するジェラルディン・チャップリンのリアリティ溢れる見事な演技! これはすごい! もうハラハラドキドキ! しかし、最後には涙が溢れ止まらなかった! なんと愛に満ちた映画だったろう! 何度でも見たくなる映画だ! J・A・バヨナ素晴らしい監督と出会えて本当にぼくはうれしい! 」と、熱いコメントを寄せた。
映画館大賞2010/ベスト20
(2008年12月〜09年11月公開の映画の中から選出)
1位 『グラン・トリノ』
2位 『ディア・ドクター』
3位 『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
4位 『愛のむきだし』
5位 『劔岳 点の記」
6位 『サマーウォーズ』
7位 『母なる証明』
8位 『スラムドッグ$ミリオネア』
9位 『イングロリアス・バスターズ』
10位 『沈まぬ太陽』
11位 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
12位 『空気人形』
13位 『南極料理人』
14位 『チェンジリング』
15位 『レッドクリフPart II ─未来への最終決戦─』
16位 『レスラー』
17位 『ウルトラミラクルラブストーリー』
18位 『ROOKIES −卒業−』
19位 『チェイサー』
20位 『マンマ・ミーア!』
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