3月18日に開幕したフランス映画祭2010。開幕式の直前には六本木ヒルズで記者会見が行われ、今年のフランス代表団団長をつとめるジェーン・バーキンと、映画祭を主催するユニフランスのレジーヌ・ハッチョンドが出席した。
[動画]フランス映画祭2010記者会見/バーキンがフランス語を覚えたのは、ゲンズブールの腕の中
18日から22日までの5日間に渡り、TOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催中の同映画祭。寄せ集めオーケストラの奮闘を描いた笑って泣ける話題作『オーケストラ!』をはじめ、2008年カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』、『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作『ミックマック』など14本の長編と9本の短編が上映される。
バーキンは、ラメのインナーとゆったりしたパンツにジャケットをはおったシックな装いで、彼女の名を冠したバッグ“バーキン”を持って登場。“バーキン”は、整理整頓が不得手な彼女のためにエルメスが作ってくれたのがはじまりのバッグで、いまや彼女のトレードマークとも言うべきもの。
会見では、イギリス人である彼女にとってフランス語は難しくないかという質問に、「とっても難しい。(フランスに暮らして)40年経っても、まだ間違えることがあります」とニッコリ。フランス語をきちんと勉強したことはないそうだが、「(夫で、91年に亡くなった)セルジュ・ゲンズブールの腕の中でフランス語を学びました。だから、フランス語はスラングから覚え始めました(笑)」と振り返り、「間違ってもいいので、フランス語を話してみてください。そうすればフランス人は両手を広げてあなたを迎えてくれるはずです」とアドバイスしていた。
20日には、バーキンの出演作『THELMA, LOUISE ET CHANTAL(原題/テルマ、ルイーズとシャンタル)』も上映される。中年女性たちのセンチメンタルジャーニーを綴った作品で、63歳の今も変わらぬ魅力を放つ彼女は、「今回の作品はダイレクトに恋愛を描いているわけではないけれど、40歳、50歳、60歳……といくつになっても愛に終わりはないというお話です」と、恋することの素晴らしさについて語った。また、石原慎太郎東京都知事が以前、閉経して子どもの産めない女性が生きているのは無駄で罪だと発言したことに触れ、「それは本当ではありません」と微笑み、やんわりと発言を批判していた。
日本映画では溝口健二監督の作品を愛しているそうで、「全作品を買い、全て見ました」とバーキン。特に1946年〜47年頃の作品が気に入っているようだ。そして、「フランスは外国映画に対してとても興味を持っている国」と語った。するとハッチョンド代表も「(フランスで)北野武監督などはとても評判が良く、ウディ・アレン監督やペドロ・アルモドバル監督などと同列に見られています」と続けた。だが残念なことに、「若手の監督が評価されるのは難しいですね。それは、フランス人監督についても同じなのですが……」とも話していた。
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