息子を失った覆面プロレスラーと親の愛情を知らない少年の触れ合いを描いた『ACACIA-アカシア-』。この映画のプレミア試写会が、5月31日にヤクルトホールで開催され、主演のアントニオ猪木をはじめ、主題歌を歌う持田香織、子役の林凌雅、辻仁成監督が舞台挨拶に登壇した。
『ACACIA‐アカシア‐』作品紹介
[動画]『ACACIA‐アカシア‐』予告編
プレミア開始前に行われた囲み取材には猪木と辻監督が登場。映画初主演の猪木は、気の早いマスコミ陣から次回作について聞かれると、「次回はないと思いますけど」と苦笑いしつつ「いい体験をさせていただきました」とコメント。
監督は「撮影現場で僕がピリピリしているときに、猪木さんがいつも冗談を言ってくれて助けられました」と感謝しつつも、「冗談の難易度が高くて」と、オチが分からないことが多かったとニッコリ。現場には監督の夫人である中山美穂も訪れたそうで、「猪木さんの演技を見て大泣きしていました」と明かしていた。
主人公が男泣きするシーンが心を打つが、舞台挨拶で猪木は、「ウソの涙は出せないので、娘を亡くしたことなどいろんなことを思い浮かべて……本当の涙でしたね」と訥々(とつとつ)と語っていた。
フランス人の監督の友人は映画を見て猪木の演技を絶賛してくれたそうで、「黒澤や小津の映画にも出ていたのか」と聞かれたと監督。だが、その名演は、現在11歳の名子役・林の助力によるところも大きかったそうで、監督は「この子は天才的な子なので心配はなかったのですが、心配だったのは……」と猪木をチラリ。林が猪木をリードして、素晴らしい演技を引き出してくれたと明かし、「猪木さんのセリフを削って凌雅くんの方に回したりしていたので、猪木さんからは『なんで、今日はオレのセリフがないんだ』って言われたりも」と苦笑いしていた。
この日はミニライブも行われ、持田が主題歌「アカシア」を歌い上げた。監督は「圧倒されますね。気がついたらジワ〜としちゃって」と持田の歌を絶賛。猪木も「初めて聞かせてもらってシンミリしました」と感動していた。
最後には猪木がおなじみの「1、2、3、ダー!」のかけ声で景気づけし、舞台挨拶は終了した。
『ACACIA-アカシア-』は6月12日より角川シネマ新宿ほかにて全国順次公開される。
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