江戸時代を舞台に、運命の不条理を描いた『必死剣鳥刺し』。7月10日に封切られたこの映画の初日舞台挨拶が、丸の内TOEI 1で行われ、主演の豊川悦司、池脇千鶴、村上淳、主題歌を担当したalanが登壇した。
正義のために藩主の妾を刺し殺した過去を持つ侍を演じた豊川。ラストの壮絶な殺陣シーンの撮影について聞かれると、「リハーサルを含めて、1週間くらいかかりました。結構、大変で、久々に『早く終わんねぇかな〜』と思っていました」と本心を明かすと、場内は笑いに包まれた。
身長差が大きいため無理な姿勢で撮影したという池脇との入浴シーンについても聞かれ、またしても「『早く終わんねぇかな〜』と思ってました」と繰り返し、「寒かったので」と理由を付け加えた。
次に司会が「愛を交わすシーン」について質問すると、豊川は「そこ、突っ込みますねぇ。随分」と苦笑いしつつも、「監督からは『こういう体勢から始めてください』とだけ言われて、『後はお好きに』ということでした」と撮影を振り返った。恋愛がらみのシーンに興味シンシンの司会が、さらに「(濡れ場を)お任せされた側の心境は?」と問うと、「引っ張りますねぇ(笑)」と豊川。「見所はもっとたくさんあると思うんですけど」と少々不満げだったが、「いや、もうホントにジタバタしてました」と、誠実に答えてくれた。
この日は参議院選挙の前日ということもあり、最後の挨拶で「メディアはいろいろな情報を報じていますが、大方は、どの政党に投票すればいいのか、という迷いがあると思います」と語り始めた豊川。「この映画のなかに描かれた侍や女性たちも、権力からはほど遠い一般市民です。彼らの思いがお上に届いているのかどうか……という図式は、江戸時代から今もずっと変わっていないのかもしれません。でも、一般庶民のなかにも、必ずや魂やエネルギーがあるはずで、この映画はそれを描いています。ぜひ投票の前後にでも、映画館に足をお運びいただければ」と、客席に語りかけていた。
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