『パンケーキを毒見する』試写会で渦巻いた政治への不信、不満、失望……
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公開記念シンポジウムとアンケートで叩きつけられた菅政権への“不信任決議”
日本アカデミー賞作品『新聞記者』や、東京国際映画祭作品賞(スプラッシュ部門)『i-新聞記者ドキュメント-』で官邸政治の闇や、菅首相を、官房長官時代から、その動向を追ってきたスターサンズが、“今、一番日本人が知りたいこと”菅政権の正体に迫ったドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』が7月30日より全国で公開される。
・頭も“中身スカスカ”? 菅首相のアブない「裏の顔」を暴く!
劇場公開を前に、学生団体を通じ募集した学生約40名が参加し、お笑いジャーナリストのたかまつなな、同作でナレーターを務めた俳優の古舘寛治、内山雄人監督、学生団体「ivote」の小林かさね、日本若者協議会の室橋祐貴を招いての公開記念シンポジウムと試写会が行われた。
また同日、映画を学ぶ日本大学芸術学部の学生約40名を対象に試写会が行われた。そして今回、2つの会場で当日配布したアンケート結果から、若者が政治に関して抱いている不信感や失望感が見えてきた。そのアンケートから浮かび上がってきた若者の現政権への意見とは……。
安倍政権のナンバー2を長く務め、ついに第99代内閣総理大臣の座に就いた菅義偉とはどんな人物なのか?彼の姿の向こうに、報道からは見えてこない真実が浮かび上がってくる。
同作には、自民党の石破茂や村上誠一郎、立憲民主党の江田憲司、共産党の小池晃ら現役の政治家や、現役の国会議員で経済産業省出身の古賀茂明、元文科省事務次官・前川喜平などの元官僚、さらに、ジャーナリストの森功、元朝日新聞記者・鮫島浩など各界の専門家が登場し、それぞれの立場から菅義偉の人間像や政権の目指すもの、日本の現状とその危うい将来を語り尽くす。
古舘寛治をナレーションに据え、証言の合間には、日本の“変なところ”を風刺するブラックなアニメーションを挿入しつつ、ユニークな政治バラエティー映画に仕上がっている。
アンケートから見えた若者の政治への本音は……
試写会鑑賞者や学生を対象とした約80名の若者から集まったアンケートは68枚。「現政権に対して、不満に思うことはありますか?」という質問に対し、「大いに不満」がもっとも多く34票、続いて「多少不満」に23票、「比較的満足している」に10票、「大変満足している」は0票、無回答が1票だった。
現政権へのメッセージとしては以下の通りだ。
・政策の根拠がない。説明責任がなされていない(17歳・学生)
・あまりにもふざけた答弁が多く感じる(16歳・学生)
・不透明すぎることが多いなと思います(18歳・学生)
・「うそをつかない」当たり前のことをまずは守って(22歳・大学生)
・もっと国民と真摯に向き合ってほしい(21歳・学生)
・政治に興味を持たせないようにしようという考えにもし踊らされているのならば、怒りを強く感じます(19歳)
・自分のポジションを守る奴が多すぎる(19歳・大学生)
・もう何もお願いしたくありません(21歳・学生)
・民主主義なのか、未来に希望を抱けない(20歳・大学生)
以上のような意見が挙がり、現政権への不信感や怒りを感じている若者が多いことが分かる。中には現政権に失望し、将来に希望を抱けないという意見もあり、若者の政治不信を招いている責任は重い。
まず「選挙に行く」そこから始めてみないか?
しかしながら、このアンケートも含めて、いくらSNSなどネット上で声を上げたとしても、与党にとっては議席が減るわけではない上に、菅政権にとってはネット上での批判は痛くもかゆくもなく、それでいて不満の受け皿として機能している側面もあり、かえって好都合というわけだ。
実際、民主党が政権を取った09年の総選挙の投票率は69.28%、それ以降は下降の一途で、前回、17年の総選挙の投票率は53.68%。この総選挙から10代にも選挙権が与えられたが、その投票率は40.49%。20代に至っては33.85%と、実に3人に1人しか貴重な投票権を行使していない現実もある。
加えて、自民党が政権を奪い返した12年の総選挙直前の党首討論の中で、安倍前首相が野田元首相と衆院解散の条件として約束したはずの「衆議院議員の定数削減」はいまだ果たされておらず、旧態依然とした金権と癒着とご都合主義が横行する自民党のガンとも呼べる要素だけが現在の菅政権にも、脈々と受け継がれている。
ナレーターを務めた古舘寛治がツイッター上で、政権批判とあわせて「選挙に行こう!」と呼び掛けているとおり、同作によって若者が政治への興味を持つきっかけとなることを願うばかりだ。
『パンケーキを毒見する』は7月30日より、全国で公開される。
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