『悪人』舞台挨拶で、妻夫木聡と深津絵里が互いの役者魂を絶賛！

2010.08.03

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吉田修一のベストセラー小説を映画化した『悪人』のジャパンプレミアが、8月2日に東京国際フォーラムで開かれ、主演の妻夫木聡をはじめ深津絵里、満島ひかり、樹木希林、柄本明、李相日監督が舞台挨拶を行った。

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 『悪人』作品紹介

人生の喜びも知らないまま閉塞感だけを抱え、衝動的殺人を犯してしまう青年を演じた妻夫木は、「役者人生のなかで、やれることはすべて出し切った作品。見終わった後に何かを感じ取ることができると思います」と挨拶した。

今回、妻夫木と深津はベッドシーンにも挑戦している。共演について妻夫木は「深津さんは本当に大きな心で僕を受け止めてくれたので、自由にお芝居できた」と感謝を語ってから、「こんなに根性ある女優さんはいないんじゃないかというくらい」と、その女優魂を称えていた。一方、深津も、妻夫木の役者魂や集中力を誉め、「その力を借りてお芝居していた。感謝しています」と語った。

また、映画のタイトルにちなみ、「あなたは何人？」という質問もあり、それぞれ答えをボードに書いて説明。「仕事人」と書いた妻夫木は、「本当は“天地人”と書きたかったんですけど、李監督にぶっ飛ばされそうだったのでやめておきました」と話して会場を沸かせてから、「仕事人だと思っているので仕事ください」と壇上から営業活動！多忙を気づかう司会の言葉に、「意外と休んでるので」と答え、「仕事ください」と猛アピールしていた。

深津が書いたのは「凡人」で、「演じてなければホントにダメな人間で、役によって生かされていると、いつも思います。趣味もないくらいつまんない人間なんです」と謙遜しまくり。妻夫木に殺されてしまう女性を演じた満島は「生人」と書き、「映画では死んでますが、生きてます」とニッコリ。

樹木は「生きづらいです」ということで「生辛人」と回答。柄本は「本人であれば人に迷惑かけないし」と「本人」と書き、「この撮影でいろんな人を辛い目に遭わせた」と反省する李監督は、自分のことを「極悪人」だと話していた。

この日は、主題歌を担当した福原美穂のミニライブもあり、久石譲が作曲した「Your Story」を熱唱。妻夫木は「ホント、素晴らしかった。歌詞も内容とリンクしているので（心に）染み渡る」と絶賛していた。

本作は8月26日〜9月6日に開催されるモントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に正式出品されることが決定している。同映画祭では、一昨年に『おくりびと』がグランプリを、昨年は『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』の根岸吉太郎監督が最優秀監督賞を受賞しているが、感想を聞かれた監督は「かなり宣伝効果があるのでは」と、ビジネスマン的回答。妻夫木は「単純に嬉しい」と喜び、深津は「この作品が海を渡るかと思うと、大きな喜びを感じる」、満島は「他の国の人の心の中に、這いつくばってでも入っていってほしい」と話していた。

『悪人』は2010年9月11日よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国東宝系にて公開される。