『キャタピラー』若松監督、800万円のCG見積もりをカット数を減らして30万円に!

舞台挨拶終了後、ロビーにて。写真左から、増田恵美、粕谷桂五、大西信満、若松孝二監督、篠原勝之
舞台挨拶終了後、ロビーにて。写真左から、増田恵美、粕谷桂五、大西信満、若松孝二監督、篠原勝之
舞台挨拶終了後、ロビーにて。写真左から、増田恵美、粕谷桂五、大西信満、若松孝二監督、篠原勝之
若松孝二監督
若松孝二監督(左)と四肢を失った演技を求められた大西信満(右)
粕谷桂五(左)とクマさんこと篠原勝之(右)
舞台に登壇し挨拶にのぞむ5人。若松孝二監督、大西信満、増田恵美、粕谷桂五、篠原勝之

寺島しのぶが今年のベルリン国際映画祭で銀熊賞最優秀女優賞を受賞したことでも話題の『キャタピラー CATERPILLAR』。この映画の特別先行上映会が8月3日にテアトル新宿で行われ、上映後に若松孝二監督と、キャストの大西信満、増田恵美、粕谷桂五、篠原勝之(クマさん)が登壇、舞台挨拶にのぞんだ。

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まずは若松監督が拍手のなか登場。「教科書に載っていないような映画をこれからも撮り続けていこうと思ってる。国が隠そうとしているやつを、どんどん暴露したい」と挨拶。

その後、若松監督が役者を呼び込み、1人ひとりが挨拶した。戦争で四肢を失い、軍神となって妻の元に帰ってくる夫役を演じた大西は「見ていただいたとおりの映画。僕たちがいろいろ言うより、見たままの印象を家に帰ってどなたかに伝えていただけたら嬉しい」と話すと、彼の妹役を演じ、これが映画初出演だという増田は「私と同じように戦争をまったく知らない世代の人たちに見てもらいたい」と映画をアピール。弟役を演じた粕谷は「この映画は数ある戦争映画のなかで、今までと違った角度から描かれているが、これも1つの戦争の真実」と本作の魅力について語っていた。

また、『笑っていいとも!』などのバラエティ番組でも知られる「ゲージツ家」のクマさんこと、篠原勝之も本作に出演。篠原が演じるのは、ちょっと脳に障害があるような役。若松監督は「終戦時に小学生だったが、その頃、近所にああいう人がいて、障害があるので兵隊に召集されないが、終戦になった途端、普通の人になっていた」と語ると、「たまたま新宿でよく行く飲み屋にいたらクマが入ってきて、顔を見た瞬間、そのことを思い出した。そこで台本にはなかったが、ちょうどいい(笑)」と出演までの経緯を振り返った。

これに対し篠原も、「台本になくてね。俺が台本くれって言ったら『オマエの役なんて描いてねえ』って言う。それで、着物とかそういうのどうするんだっていったら、『そういう台本とか映画のことを考えるな』って言われたと振り返っていた。

この日は観客からも質問を受け付け、四肢のない役をどう撮影したのかという素朴な疑問が寄せられた。若松監督は「前から撮るときは腕は後ろで縛りまして、足はその箇所を掘って入れた。ただ、最後の3カットだけCGを使った。四肢のないシーンを全部CGにすると、800万円という見積もりが出たので、そんなには払えなということで3カットだけにして30万円にした」と言い、場内の笑いを誘っていた。

『キャタピラー CATERPILLAR』は8月14日よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開

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