無人島に漂着した23人の若い男たちと、たった1人の女のサバイバルを描いた『東京島』。桐野夏生のベストセラー小説をもとにしたこの映画が、8月28日より公開となり、新宿バルト9で初日舞台挨拶が行われた。
[動画]『東京島』初日舞台挨拶/木村多江、窪塚洋介、福士誠治ほか
登壇したのは、キャストの木村多江、窪塚洋介、福士誠治、篠崎誠監督の4人。沖永良部島と徳之島で行われたロケの様子を聞かれた木村は、ロケ地まで、ロープやハシゴをつたいながら長時間かけて行かなければならなかったと説明し、「毎日、足がつっている状態で、肉体的に過酷だった」と振り返った。
精神的にも過酷だったそうで、木村は「窪塚さんから罵倒される役なので、罵倒されるとイライライラ!って(笑)。撮影が終わった後もずっとムカムカしてて」と笑顔を浮かべた。それを聞き、「だから、リハでビンタされたんですね」と窪塚。木村は「つい頭にきて叩いちゃいました。すみません」と申し訳なさそうな表情を浮かべながらも、怒りの記憶を払拭しきれていないのか、「(撮影後も)あまりにも頭にきちゃって、マネージャーさんに『肉、食べに行こう、肉!』って(笑)」と、しとやかな佇まいからは想像しにくい肉食系ぶりをのぞかせ、「映画のなかでも肉を食べるところがあるので、そこにも注目していただければ」と話していた。
一方、窪塚は、ロケ地の自然と一体化し、インスピレーションを得られたそうで「すごく良い環境で撮れたので、それが役の変態っぷりに拍車をかけてくれているといいなぁという感じです」と語った。
窪塚と福士のほか、木村了や染谷将太など男だらけの撮影現場だったわけだが、「おねぇ言葉が流行っていたと聞きましたが」と司会。福士は苦笑いしながら「女性の雰囲気が欲しかったんですかねぇ」と前置きしてから、スナックを想定したゴッコ遊びをしていたことを告白。「ママ、ちいママ、新人までそろってゴッコしてました」と明かした。司会が「福士さんもおねぇ言葉を?」と聞かれると「若干使いました」とこれまた苦笑していたが、どんなおねぇ言葉を話していたかについては「ちょっと、やめときます」と、明かしてはくれなかった。
また、「洗濯機の争奪戦が大変だった」とロケの思い出を振り返ったのは監督。撮影後には洗濯機の奪い合いが起きていたそうで、明日の撮影の準備もしなければいけないし、早く洗濯機を確保して洗濯も終えておきたい監督としては悩みも大きかったようで「洗濯が先か、画コンテを考えるのが先か、葛藤がありました」と苦笑していた。
最後の挨拶で木村は「映画は、原作とはまた違った、前向きになれるような作品。自然が美しく、人間ドラマも面白いと思います。自分が無人島に行ったら、このなかの誰になるだろうというような目線で楽しんでいただければ」と、客席に語りかけていた。
『東京島』はシネスイッチ銀座ほかにて全国公開中。
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