フランソワ・オゾン監督とカトリーヌ・ドヌーヴが『8人の女たち』以来の再タッグを組んだ作品『しあわせの雨傘』。現在開催中のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されているこの作品の記者会見とレッドカーペットセレモニーが9月5日に行われ、オゾン監督とドヌーヴをはじめ、ファブリス・ルキーニ、カリン・ヴィアール、ジュディット・ゴドレーシュが登場した。
映画は、雨傘工場を経営する亭主関白の夫と幸せに暮らしていた裕福な女性が、夫の病気をきっかけに、夫に代わって工場を切り盛りせざるをえなくなる様子を描いた、涙あり笑いありの人生賛歌。ドヌーブが劇中で披露する赤いジャージ姿も話題のひとつだ。
オゾン監督は「この作品で描いているテーマは“1人の主婦が色々と問題を乗り越えて、自分の居場所を見つける”という、とても普遍的で現代に通じるもの」と映画についてコメント。また、ドヌーヴとよく話し合いながらキャラクターを作っていったそうで、「結果、メロドラマ的要素と笑いの要素とがうまく融合した作品に仕上がっていると思う」と満足げ。
原題は『Potiche(ポティッシュ)』で、“飾り物”を示唆している。これについてドヌーヴは「若いときに何をしたいかわからなかったり、自分が思っているのと違った形で人から受け取られたりもしたけど、これまで自分が“Potiche”という存在だったことはないと思う」と話し、「いまだに男女平等かと聞かれると、そうじゃない部分が多いから、女性の地位向上の為に協力していきたいと思う」と抱負を述べた。
日本でのタイトルは、ドヌーヴの記念碑的作品『シェルブールの雨傘』にちなんだものとなっており、これについてオゾン監督は「とても気に入っている。とてもポエティックで美しいタイトルだと思う」とコメントした。
『しあわせの雨傘』は2011年正月第2弾TOHOシネマズ シャンテほかにて全国順次公開される。
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