スカーレット・ヨハンソンがディズニーを提訴、契約違反の訴えを長期間無視したと主張
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劇場公開と同時配信公開で5000万ドルもの損失を被ったヨハンソン
スカーレット・ヨハンソンが28日(現地時間)、最新主演作『ブラック・ウィドウ』を配給したウォルト・ディズニー・カンパニーを提訴したことが明らかになった。
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『アベンジャーズ』シリーズの人気キャラクター、ブラック・ウィドウを主人公に据えた『ブラック・ウィドウ』は2020年公開の予定が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて公開延期が重なり、1年以上遅れて今年7月8日(現地時間)に劇場公開された。また、翌日からディズニーの定額動画配信サービス「ディズニープラス(Disney+)」のプレミアアクセスでも配信が開始された。
その結果、公開週末の配信による収益は6000万ドル、一方、全米の興行収入では公開3週間で1億5000万ドルとなり、同時配信公開によってヨハンソンは5000万ドルもの損失を被ったと見なされている。
ロサンゼルス上位裁判所に提出された訴状によると、ヨハンソンが同作出演についてマーベルと契約した際は劇場拡大公開が保障されていたという。彼女の出演報酬は劇場公開の興行収入に応じて受け取る契約になっており、劇場と同時に配信でも公開されたことで興行成績に大きな影響が出たと主張。ディズニーの行動は、「ディズニープラスの価値を高めたのみならず、マーベルがヨハンソンに支払わなければならなかった “非常に大きな興行収入ボーナス “とマーベルが呼ぶもの」を支払う事態を回避したとしている。
2019年3月の時点で、契約に変更が生じた場合は知らせるとあったが、『ブラック・ウィドウ』の配信公開が決定した後、ディズニーはヨハンソンとの契約の見直しを行わず、数ヵ月もの間、ディズニーとマーベルは契約違反を訴える彼女を無視したことから、訴訟に踏み切らずを得なかったと訴えは続く。
ワーナーメディアとワーナー・ブラザースは、昨年12月に『ワンダーウーマン1984』が劇場とHBO Maxで公開されたパティ・ジェンキンス監督と主演のガル・ガドットに損失の穴埋めとして1000万ドルずつ支払った。今後、劇場と配信で同時公開を予定する作品の出演者に2億ドルもの資金を投じているとされていて、ヨハンソンの訴状はこれについても言及している。
『ブラック・ウィドウ』はパンデミック下では最大のヒットとなる8,000万ドルの成績を記録したが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品としては低調であり、2週目の週末には、北米で68%という大幅な落ち込みを記録した。訴状は「観客を劇場からディズニープラスへ誘い込んだディズニーの戦略が功を奏した」としている。
訴訟は、ウォルト・ディズニー・カンパニーが新作『ジャングル・クルーズ』を劇場公開(翌日からディズニープラスでのプレミアアクセス配信公開)した29日(現地時間)の前日というタイミングで起こされた。
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