第67回ヴェネチア国際映画祭が9月11日に閉幕、最高賞である金獅子賞をソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE(原題)』が受賞した。自堕落な日々を送るハリウッドスター(スティーヴン・ドーフ)と離れて暮らしていた娘(エル・ファニング)との再会の物語で、日本では来年4月に公開予定。映画祭では上映直後から本命視と報じられてきた作品だが、審査委員長のクエンティン・タランティーノ曰く「全員一致」の受賞だという。
出産が映画作りに大きく影響。ソフィア・コッポラがヴェネチア映画祭で自作を語った
監督賞にあたる銀獅子賞は、フランコ独裁政権下、1930年代のスペインのとあるサーカス団を舞台に、2人のピエロと空中ぶらんこ乗りの女性の三角関係を描く『BALADA TRISTE DE TROMPETA(原題)』のアレックス・デラ・イグレシア監督。最優秀男優賞は『ESSENTIAL KILLING(原題)』で逃亡中のイスラム原理主義組織タリバン兵を全編無言で演じたヴィンセント・ギャロ。同女優賞はギリシャの『ATTENBERG(原題)』でヒロインを演じたフランスの女優アリアーヌ・アベドに輝いた。
21年ぶりの新作『ROAD TO NOWHERE(原題)』を発表したモンテ・ヘルマンには特別賞が贈られた。ヘルマンはタランティーノのデビュー作『レザボア・ドッグス』のプロデューサーでもある。審査員特別賞はイエジー・スコリモフスキー監督の『ESSENTIAL KILLING』。最優秀新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞は、ダーレン・アロノフスキー監督の『BLACK SWAN』で、ナタリー・ポートマン扮するヒロインのライバルを演じたミラ・クニスが受賞。
日本からは『ノルウェイの森』、『十三人の刺客』がコンペティション部門に、『冷たい熱帯魚』がオリゾンティ部門に出品されたが、残念ながらいずれも無冠に終わった。
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