『カサブランカ』も『知りすぎていた男』も舞台はモロッコ! 珠玉のモロッコ発映画5作品
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第72回カンヌ国際映画祭を皮切りに、世界中で喝采を浴び、第92回アカデミー賞のモロッコ代表に選出された映画『モロッコ、彼女たちの朝』が、8月13日より全国公開される。公開に先がけて、本作を含め、モロッコが舞台の5作品を紹介する。
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『カサブランカ』『知りすぎていた男』…モロッコ舞台の5作品に注目!
地中海に面した北アフリカに位置する国、モロッコはアフリカやアラブ、欧州などさまざま国の文化が混ざり合い、独自の文化を築き上げてきた国である。サハラ砂漠や美しい海岸線、さらには世界遺産に登録されている旧市街やモスクなどが多数存在し、観光地として人気がある。そんな「魅惑の国」を舞台に、これまで多くの映画が撮影されてきた。それらの映画の中には映画史に残る名作や、巨匠監督が撮影した作品が多数存在する。
『モロッコ、彼女たちの朝』マリヤム・トゥザニ監督(19年/モロッコ、フランス、ベルギー製作)
カサブランカの小さなパン屋を舞台に2人の女性が出会い、新しい人生へと歩き出す始まりの物語。第92回アカデミー賞モロッコ代表作。モロッコを舞台にした映画は数あれど、それらはどれも外国人がモロッコを訪れる設定。モロッコ人監督によるモロッコ映画の日本劇場公開は、本作が初めてとなる。
旧市街で暮らす女性たちのリアルな日常の姿が描かれており、見る者を異国情緒あふれる世界へ誘ってくれる。麺状のモロッコの伝統的なパン「ルジザ」や、幾何学模様があしらわれた壁紙、美しい細工が施されたティーポットなど、日本ではなじみのない食べ物から美しい雑貨まで多数登場し、独自の文化を存分に楽しめる。
主演は『灼熱の魂』(10年)のルブナ・アザバルとニスリン・エラディ。マリヤム・トゥザニ監督は、アカデミー賞モロッコ代表に女性監督として初めて選出された。また、本作は見知らぬ未婚の妊婦を家でかくまい、世話をしたというマリヤム監督の実体験がもとにした長編デビュー作でもある。
『カサブランカ』マイケル・カーティス監督(42年/アメリカ製作)
第二次世界大戦中のカサブランカで、かつて恋に落ちた男女が運命の再会を果たす物語。名優ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンが共演した本作は製作から80年が経とうとしている今でも世界中で愛されている。劇中に登場する「リックス・カフェ」を再現したカフェがカサブランカにあり、今でも映画の世界観を堪能できる。
『知りすぎていた男』アルフレッド・ヒッチコック監督(56年/アメリカ製作)
サスペンス映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督が『暗殺者の家』(34年)をセルフリメイクした作品。家族でモロッコ観光にきていた男が思わぬトラブルに遭遇し、やがて巨大な謀略に巻き込まれていく。監督自らロケを行ったという異国情緒あふれるマラケシュの街並みが印象的な1作だ。
『グッバイ・モロッコ』ギリーズ・マッキノン監督(98年/イギリス、フランス製作)
ロンドンからモロッコのマラケシュへ2人の娘を連れてやって来たシングルマザーのジュリア。新天地での生活を楽しむジュリアと不自由な生活に不満を抱く娘たち。そんなある日、大道芸人のビラルと出会い…、というストーリーが展開される。 エスターフロイトの自伝的小説『郷愁のモロッコ』をケイト・ウィンスレット主演で描いたヒューマンドラマだ。
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』ジム・ジャームッシュ監督 (13年/アメリカ、イギリス、ドイツ製作)
鬼才ジム・ジャームッシュ監督が現代に生きるアダムとイヴという名を持つ2人の吸血鬼を描いた異色のラブストーリー。イヴはモロッコ・タンジール、アダムはアメリカ・デトロイトの街でひっそりと暮らしている。しかし、イヴの妹エヴァの登場により、平穏な日々は終わりを告げることとなる。吸血鬼の二人が歩く夜のタンジールの路地は、怪しく美しい。
有名作品が名を連ねるモロッコを舞台にした映画の数々。この機会に一度ご鑑賞あれ!
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