この秋から冬にかけ時代劇が目白押しの映画業界。そうしたなか時代劇をアピールするための<サムライ・シネマ キャンペーン>が業界5社共同で展開されることとなり、9月17日に時事通信ホールでキックオフセレモニーが開催された。
普段はライバル会社として興行成績を競う映画会社同士が手を組んだ今回のようなキャンペーンは史上初。キャンペーンには9月25日に封切られる『十三人の刺客』をはじめ、『桜田門外ノ変』(10月16日公開)、『雷桜』(10月22日公開)、『武士の家計簿』(12月4日公開)、『最後の忠臣蔵』(12月18日公開)の5作品が参加。セレモニーには配給会社・東宝、松竹、東映、ワーナー・ブラザース、アスミック・エースのトップとキャストたちも出席し、時代劇の魅力を訴えた。
『十三人の刺客』/『桜田門外ノ変』/『雷桜』/『武士の家計簿』/『最後の忠臣蔵』
また、この日はキャンペーンの応援団長に就任したサッカー日本代表の前監督・岡田武史も登場。サムライブルーを率いて戦った岡田前監督は「(世界杯のとき)サムライ、サムライ・グレートと言われると嬉しかった。今回、5作品が相次いで公開されるということは、今の日本人がサムライを欲しているということなのでは」と挨拶した。
この日は『十三人の刺客』『最後の忠臣蔵』に主演する役所広司をはじめ、『桜田門外ノ変』の大沢たかお、『雷桜』の岡田将生と蒼井優、『武士の家計簿』の堺雅人と仲間由紀恵ら6人の俳優たちが出席。全作品を見たという岡田前監督の感想を交えたトークショーも行われた。
まず、最初に公開される『十三人の刺客』の感想を求められた岡田前監督は、「最後、ものすごい戦いのシーンがあるんですよ。力を入れすぎちゃって筋肉痛になり、翌日、痛くてね(笑)」と、手に汗握る迫力だったと評価。司会から「13人の武士を率いて戦う主人公とサムライブルーを率いた岡田前監督の立ち位置は似ているのでは?」と言われると、「全然、違うでしょう。僕、命かけてないですから(笑)」と謙遜。続けて「家族を放り出してまでは……」と言いかけるも、「ちょっと放り出したかな」と正直に明かしていた。
次は『雷桜』。クライマックスシーンの岡田将生扮する若君の行動に納得できなかったようで、「なんであのとき出て行かなかったの。(ヒロインが)かわいそうでしょ! 殿なんだから出て行けよって思いました」と岡田将生に抗議。困惑させていた。
さらに岡田前監督は『最後の忠臣蔵』についても思うところがあったようで「僕が脚本家だったら、最後はハッピーエンドにするんだけど」とコメント。切ないラストに「あまりにも厳しいですよね……。武士ってそこまで徹するのかと、厳しさを感じました」と感嘆していた。
司会から各作品の感想を求められていた岡田前監督だが、途中「なんか、映画評論家みたい」と苦笑いする場面も。「僕もさんざん評論家にいろんなことを言われて……」と、苦い過去を思い出しぼやき節。また役所が岡田前監督に「このサムライ・シネマの応援団長になるために、サムライブルーの監督を降りたんですね」としみじみした口調で言うと、場内は大爆笑。岡田前監督も苦笑していた。
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