ヌーヴェルヴァーグの鬼才ルイ・マル監督の傑作映画をリメイクした『死刑台のエレベーター』が10月9日に初日を迎え、角川シネマ新宿で行われた舞台挨拶に吉瀬美智子、阿部寛、玉山鉄二、北川景子、緒方明監督が登壇した。
[動画]『死刑台のエレベーター』初日舞台挨拶/吉瀬美智子、阿部寛、玉山鉄二、北川景子ほか
同作は、女が愛人に自分の夫を殺させる完全犯罪を企てるが、愛人の乗ったエレベーターが停止したことによって計画が崩れ去ってしまうというクライムサスペンス。
主人公で、愛人に夫を殺害するよう仕向ける魔性の女を演じた吉瀬は、映画の冒頭とラストが画面いっぱいのアップだったことについて、「この大きなスクリーンで、あんなに大きく映っている。本当に寄りだったので、正直、驚きました。ラストシーンは毛穴がわかるくらい」と苦笑い。また、冒頭で口にする「愛してる」というセリフについては、「普段は言わない言葉なので、監督にどういう風に言ったらいいんですかと聞きました」と話していた。
これに対して監督は「あまり気持ちを込めないようにと言った。2人(吉瀬、阿部)とも美男美女ですから、最初から2人が『愛してるわ〜』なんて言ったら、見る側は引くと思うので(笑)」と、抑えた演技を要求した様子。
阿部は「たぶん意識しちゃったんでしょうね。芝居しようと思ったら、見事に監督にバレていて、案の定、『愛してる』って(感情込めて)言っちゃったら暑苦しかったらしく(監督から)『普通にしてください!』と」とダメ出しされたことを明かしていた。
本作には、吉瀬と阿部が扮する大人のカップルとは別に、玉山と北川が扮する若いカップルも登場する。その玉山は「初めて完成作を見たときはエンドロールでも全然立てなくて、2時間どっぷり沼に浸かってたような感覚に陥った」と映画の感想を述べていた。
一方、北川は、心中未遂や吐くシーンがある役について「激しい人だなと思ったのが第一印象。吐くシーンや自殺しようとするシーンは、どう演じようかすごく迷った。どれくらいオーバーにしていいのかわからなかったので、監督と話し合いながら演じた」と振り返る。
すると監督は、北川が嘔吐するシーンについて、「使ってる映像は最後の方だけど、もっと前が延々とある。撮っていると段々、北川さんの気持ちが入ってきたので、そこを使った」と解説。北川も嘔吐シーンは「過酷じゃなく楽しかった。メイクさんとどうしたらリアルになるのか、小麦粉なのか、溶かしたアメなのかといろいろ試した」と語っていた。
『死刑台のエレベーター』は角川シネマ新宿ほかにて全国公開中だ。
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