デビュー30年、名脇役の益岡徹が『脇役物語』で主役デビュー!

『脇役物語』が『主役物語』に? 「脇」の字をはがす益岡徹(中央)。写真左より、佐藤蛾次郎、津川雅彦、益岡、松坂慶子、緒方篤監督
『脇役物語』が『主役物語』に? 「脇」の字をはがす益岡徹(中央)。写真左より、佐藤蛾次郎、津川雅彦、益岡、松坂慶子、緒方篤監督
『脇役物語』が『主役物語』に? 「脇」の字をはがす益岡徹(中央)。写真左より、佐藤蛾次郎、津川雅彦、益岡、松坂慶子、緒方篤監督
大笑いする益岡徹(左)と松坂慶子(右)
「可愛い息子です(笑)」と話す津川雅彦(左)と益岡徹(右)
笑い合う佐藤蛾次郎(左)と津川雅彦(右)
写真左より佐藤蛾次郎、津川雅彦、益岡徹、松坂慶子、緒方篤監督

今年デビュー30周年を迎え、誰もが名脇役と認める益岡徹。そんな益岡が初主演した映画『脇役物語』のプレミア試写会が10月10日にスペースFS汐留で行われ、益岡のほか、津川雅彦、松坂慶子、佐藤蛾次郎、緒方篤監督が舞台挨拶に登壇した。

『脇役物語』作品紹介
[動画]『脇役物語』予告編

『男はつらいよ』シリーズの源公役で知られる名脇役の佐藤は芸歴50年。「寅さんではいつも半テンですが、この映画では全編スーツ。ネクタイもいろいろと替わっています」と挨拶すると、「『脇役物語』の話が来たときは脇役が主役ですから、ついに私にも主役が来たかと思ったが、やっぱり脇役でした」と話し、場内を沸かせていた。

芸歴65年の津川は益岡の父親役で出演。「可愛い息子です(笑)」と言って場を和ませると、「(益岡は)とても素敵な俳優さん。楽しく芝居をさせていただきました」と話していた。また、監督については「新人ですが、アメリカでずっと過ごしてきたせいか喜劇のセンスがある。あまりオーバーにやらないでくれ。オーバーにやって人を笑わせたくない。まじめにやって人を笑わしたいと言い、1つひとつの芝居に細かくダメ出しをしていた」と、監督のこだわりがいっぱいの現場だったことを明かしていた。

スクリーンデビュー40年の松坂慶子は「今回は素敵な役をいただきました。なんと、20代の柄本佑くんと恋人同士の役でドキドキしちゃいました」と華やいだ表情で語っていた。

そうしたなか、益岡は緒方監督との出会いを披露。「緒方監督とは以前に短編映画『不老長寿』でご一緒して。それから3年ほど経って、監督が長編を作るにあたって、また僕に話を振ってくれたのは、どこかで僕を役者として信頼してくれた部分があったからだと思う」と語ると、「なので、感謝の気持ちでいっぱいです」と監督にお礼を述べていた。

一方、緒方監督は『不老長寿』に続いて益岡を起用した理由について、「『不老長寿』は、おばあさんと詐欺師の騙し合いを描いた短編コメディ。配役に当たっていろいろな日本映画をTSUTAYAで借りて見た。そのなかに『ぷりてぃ・ウーマン』というアマチュアおばあさん劇団を題材にした作品があって、そこで区の福祉担当官を演じているのが益岡さんだった。おばあさんたちが押し寄せてきたときの困った表情があまりにもコミカルだったのでお願いしたが、撮影後の編集段階になっても、益岡さんの演技が上手でコミカルなので、編集者と一緒に何回も笑ってしまい、作業がなかなかはかどらなかった」と前作での製作秘話を口にすると、「だから今回は初めから決めていました」と益岡の名優ぶりにゾッコンであることを語っていた。

最後にマスコミ向けの撮影タイムが設けられ、登壇者は全員で「脇役物語」と書かれたパネルを持ってのぞんだ。その後、宣伝担当者から「脇」の字をはがすように指示された益岡が紙をめくると、「脇」の字の下に主役の「主」の字が登場。客席から一斉に「主役物語」という初主演を祝う言葉がかけられ、益岡はちょっと照れた様子だった。

『脇役物語』は10月23日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国順次公開となる。

【関連記事】
『ガマの油』完成記者会見/役所広司、瑛太、益岡徹ほか
松坂慶子も登壇『釣りバカ日誌20 ファイナル』初日舞台挨拶