色のない強制収容所で、実在の画家が青い手の女性画家を夢見る…「あなたの指は唇みたい」
愛を囁くロマンティックな本編シーンが公開
セザール賞長編アニメーション賞などヨーロッパの映画賞を総ナメし、「東京アニメアワードフェスティバル2021」でも絶賛されたオーレル監督の長編アニメーションデビュー作『ジュゼップ 戦場の画家』が、8月13日より公開される。このたび、本編映像と新場面写真が公開された。
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このたび公開された本編映像は、海の中からメキシコを代表する女性画家のフリーダ・カーロが現れ、主人公の画家ジュゼップ・バルトリにそっと語りかけるロマンティックな場面だ。
真夜中の収容所でジュゼップと新米憲兵のセルジュは、浜辺に座り広い海を眺めていた。すると突然、神秘的な雰囲気を漂わせたフリーダが海の中から現れ、2人に歩み寄ってくる。
「待って、どうして手が青いの?」とのセルジュの問いに、ジュゼップは「フリーダ・カーロだからさ」と答える。
ジュゼップはフリーダのタバコに火を灯し、ピアノ、そしてギターの旋律と共に、甘美なひとときが映し出される。
いつの間にか眠ってしまったジュゼップに、「翼で愛撫されているみたいだった。あなたの指は唇みたい。キスされているようだった」と愛を囁くフリーダ──これは夢なのか、それとも現実なのか?
レコードの再生音のようなレトロなサウンドで、語り手である老人の回想シーンならではの曖昧な記憶を印象づけるシーンとなっている。
フリーダとの交流により生きる希望を見いだしていく
また新たに公開された場面写真は、髪を結ぶフリーダを捉えたシーンのほか、タバコをくゆらす神秘的なシーンや、青いペンキが塗られた家が映し出されている。セルジュとの友情、フリーダとの出会いによって、生きる希望を取り戻していくジュゼップの様子が感じ取れるものとなっている。
実在の画家ジュゼップ・バルトリの生き様描く感動作
本作品の舞台は、1939年2月のスペイン内戦を逃れた大勢の難民が押し寄せた南フランス。フランス政府によって強制収容所に入れられた難民たちは、劣悪な環境のもとで飢えや病気に苦しみ、監視役のフランス人憲兵たちにより虐待が加えられていた。そんな中、粗末な小屋の壁や地面に黙々と絵を描いているジュゼップ・バルトリという画家がいた。新米の憲兵セルジュは先輩の憲兵たちの目を盗み、ジュゼップに紙と鉛筆を与え、ふたりの間にはいつしか有刺鉄線を越えた友情が芽生える。セルジュは、ジュゼップがスペイン脱出のとき離ればなれになった婚約者がいたことを知り、再会を夢見る切なる思いに触れ、彼女を探すのを手伝うが……。
『ジュゼップ 戦場の画家』は、8月13日より全国公開される。
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