アントニオ猪木のデビュー50周年を記念して作られたDVD『アントニオ猪木デビュー50周年 DVD-BOX』が12月3日に発売となるが、そのプロモーションイベントが11月16日に新宿バルト9で開かれ、猪木が舞台挨拶を行った。
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現在、新宿バルト9をはじめとした全国の劇場で、DVD発売記念の作品『燃える闘魂アントニオ猪木 50年の軌跡』が上映されていて、この日はその上映前の舞台挨拶。入場曲「炎のファイター 〜INOKI BOM-BA-YE〜」が流れるなか両手を高く掲げながら登場した猪木は、司会にうながされ、50年の軌跡を振り返った。
1976年のモハメド・アリ戦については、「なんでも“アリ”のモハメドということで(笑)、ルールが決まらなくて大変でした」と猪木。「グローブは4オンスでバンデージを巻いて、本当がどうか知りませんがシリコンが入っていて壁のように堅い」と言い、「こちらも靴のなかに鉄板を入れたんだけど、さすがに気が引けたのでリングに上がる前にはずしました(笑)」と裏話を告白していた。
そんなアリとの試合について「試合中に幽体離脱して、試合をしながら自分の試合を(外から)見たことがある。アリ戦にもそれができれば良かったんですけど……」と悔やむ一方で、「アリに感謝している、というか、この試合があったから猪木の名前が世界に売れた。戦うべくして戦った気がします」と、伝説の試合について語った。
また、87年にマサ斎藤と行った巌流島での戦いについても触れ、「熱が出ちゃって、(現地で)氷風呂に入って熱を冷ましていた」と振り返った猪木。夕暮れにたいまつを立てて試合に臨んだものの、「たいまつにぶつけられたときは熱かったですよ(笑)」と、今だから話せる素直な感想を口に。
DVDについては「本当は(こういうDVDを出すのは)イヤだよね〜。過去の自分を振り返ると、恥ずかしいことがいっぱいあるじゃないですか」と言ってから、「10万円だって!?」と価格への文句も。ファンの気持ちを代弁するかのように「ふざけんじゃね〜よ!」と苦笑いしつつも「でも、買っていただかなきゃいけないからね」と話していた。
また、囲み取材では50年という歳月について聞かれた猪木は、「あっという間だった」と話す一方で、「中身は濃かったですよね。いろんな事件、スキャンダルもあったし、政治の世界にも出たし」と感慨深げ。
ファンへのメッセージを聞かれると、開口一番「バカヤロー!」と怒鳴ってから、「……と言いたくなるくらいくらいファンは薄情なんですよ」と苦笑い。「こちらがパワーを持っていないとファンはすぐに離れていってしまう。命がけのメッセージをリングから送り続けないと去ってしまう。ファンほど薄情なものはありませんね」と、人気稼業の辛さも吐露していた。
舞台挨拶の最後には「金が欲しい、女が欲しい、男が欲しい、家が欲しい、社長になりたい、総理になりたい……総理はやめたほうがいいですね」という前口上の後に、「じゃあ行くぞ。1、2、3、ダーッ!」と気合いを入れていた。
映画『燃える闘魂アントニオ猪木 50年の軌跡』は新宿バルト9ほかにて全国順次公開中。DVD『アントニオ猪木 デビュー50周年記念 DVD-VOX』は、12月3日に発売される(20枚組/¥100,000 税抜/販売:TCエンタテインメント)。
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