お見合いからわずか5日で結婚し、貧乏所帯ながらも前向きに生きていく夫婦の姿を描いた映画『ゲゲゲの女房』。この作品が11月20日より公開となり、新宿武蔵野館で、キャストの吹石一恵、宮藤官九郎、鈴木卓爾監督が初日舞台挨拶を行った。
吹石一恵がちゃぶ台をひっくり返したくなる結婚相手とは?
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原作は、「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られるマンガ家・水木しげるの夫人である武来布枝(むら・ぬのえ)のエッセイで、NHK朝の連続テレビ小説にもなったベストセラー。「女房」役を演じた吹石は、無事公開初日を迎えたことについて「出産というよりも、自分の子どもが成人するような気持ち。感慨深いです」と挨拶した。
撮影前に監督は、知り合ってすぐに結婚した2人のぎこちなさを出すために、水木しげる役の宮藤と吹石にあまり仲良くしないように言ったという。ご飯を食べるときも互いに背を向けながら食べていたそうだが、「仲が悪かったわけじゃないですよ(笑)」と言い訳する宮藤。監督は「今、思えば、もうちょっと仲良くしてもらっても良かったですね」と厳しすぎたことを反省している様子だった。
撮影時の様子について宮藤は「監督は僕にはあまり厳しいことを言われなかったのですが、吹石さんには結構ハードに演技指導されていました」と話し、黙って耐えている吹石のことを「すごいな」と思いながら「僕はずっと漫画の練習をしていました(笑)」。これについて鈴木監督は「撮影初期はスルスルやっていたのですが、段々厳しくなっていって(笑)。体育会系の千本ノックみたいに、段々とキツくなってしまいました」と吹石にとって過酷さが増していった現場だったことを明かしていた。
水木の映画だけあり、劇中にはアニメーションで妖怪も登場。吹石と宮藤がその声も吹き込んだ。監督は「吹石さんには目玉おやじの声をやってもらいました」。3人とも気に入っているシーンのようで、「あのアニメはいいよね。味があって」と自画自賛していた。
また、『悪魔くん』のアフレコもしたそうで、「とっても静かな木造の公民館でアフレコしたのですが、『エロイムエッサイム、エロイムエッサイム』と(大声で)やっていたので、近所から苦情が来ないかと心配でした」と吹石。宮藤は「(吹石は)監督がびっくりするようなテンションで、いきなり始めた」と思い出し笑いしていた。
その後、水木の故郷・鳥取の観光大使でもある鬼太郎が登場し、鳥取名産の砂丘らっきょうを3人にプレゼント。吹石らと一緒にフォトセッションに参加していた。
最後の挨拶では、宮藤が「夫婦のぎこちない感じから、段々(距離が)近づいて行くところが繊細に描かれている映画です」と見どころを語ると同時に、「自分の出ているシーン(の出来)は分からないのですが、自分の出ていないシーンの吹石さんがすごくいい!」と吹石の演技を褒めていた。
『ゲゲゲの女房』はヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開中。
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