第9回日本冒険小説大賞を受賞した志水辰夫原作の傑作ミステリーを映画化した『行きずりの街』が11月20日に封切られ、主演の仲村トオルをはじめ、小西真奈美、南沢奈央、窪塚洋介、阪本順治監督、meg(主題歌)が丸の内TOEIで初日舞台挨拶を行った。
仲村は「撮っているときはこんな気持ちになるとは思わなかったくらい、僕にとって特別な作品になった。宣伝活動も、未だかつてないくらい取材を受けたり慣れない番組に出たりして、やれるだけやってきた。ちょっと清々しい気分で初日を迎えられました」と挨拶。
小西は「女子高生役を演じることは、もうなかなかないと思いますので、最後の制服姿を、また良かったら見に来てください」と挨拶すると、窪塚も「僕も女子高生役をやることは、もうないと思います」と口にし、笑いを誘っていた。
また窪塚は、自分の歩き方に性格を重ね「トオルさんと一緒に歩くシーンで、僕の意識としてはまっすぐ歩いているつもりだったんですけど、フラフラしていた。性格がフラフラしてるんで、そういうのが出てるなと思った」と語っていた。
一方、「普段は野郎の映画が多いんですけど、今回は初めて男と女のラブストーリーに挑戦した」と挨拶をしたのは阪本監督。司会から男と女を描く上で苦労した点を聞かれると「僕は52歳でまだ1人ですから、夫婦というものがわからないし、夜(の生活)も全然ないですから」とこぼす。この発言に窪塚や小西らがバカ受け。監督自身もツボにはまったようで、思わず吹き出しながら、まだ20歳と若い南沢に「奈央ちゃんごめんなさい」と謝っていた。
さらに監督の話は続き、「ラブシーンの演出もすごい照れながらやっていました。楽しく激しくやろうよねと(小西)真奈美ちゃんに言って」と言うも、突然「止めます! ありがとうございます」と話を打ち切り、さらなる笑いを誘っていた。
またこの日は、本作が映画出演50作目、俳優生活25年の節目となる仲村に、デビュー作『ビー・バップ・ハイスクール』の故・那須博之監督夫人で、同作の脚本も担当した那須真知子からのお祝いの手紙が読み上げられた。
「今もし(那須監督が)生きていて、この映画を見たら、きっとこう言うと思います。『おー、トオル君、いい役者になったなあ。それよりもまず、いい男になったなあ』」。そんな内容が綴られた愛情たっぷりの手紙に、仲村も感無量の様子。「25年前の1本目があって今日がある。ありがとうございました」と真知子夫人と天国の那須監督に御礼を述べると、最後に「できれば25年後、僕の100本目の映画の時に、またみなさんと会いたいです。体を大切に、良いものを食べて長生きしてください。ありがとうございました」と観客にも御礼の言葉を述べていた。
『行きずりの街』は全国東映系にて公開中だ。
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