1971年3月31日生まれ、スコットランド出身。初主演作『トレインスポッティング』(96年)でブレイクし、イギリスを代表する若手俳優に。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(99年)でオビ=ワン・ケノービに抜擢され、以後、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02年)、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05年)、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15年)に出演。主な出演作は『シャロウ・グレイブ』(94年)、『ベルベット・ゴールドマイン』(98年)、『ムーラン・ルージュ』(01年)、『ゴーストライター』(10年)、『美女と野獣』(17年)、『プーと大人になった僕』(18年)など。
イエメンの大富豪が抱いた途方もない夢──砂漠の国イエメンで鮭釣りがしたい──に、不本意ながらも巻き込まれていく水産学者。チャレンジ精神などまったく持ち合わせていなかったような男が、実現不可能と思われたプロジェクトに関わることで人生を輝かせていく様子を描いたのが『砂漠でサーモン・フィッシング』だ。
主人公アルフレッド・ジョーンズ博士を演じたのは、エッジの効いた『トレインスポッティング』(96年)でブレイクしたユアン・マクレガー。やんちゃなイメージで人気を得た彼も今年で41歳になった。超安定志向でくそまじめな、面白みのかけらもない男をユーモラスに演じ、観客を楽しませてくれる。そんなマクレガーに話を聞いた。
マクレガー:ジョーンズ博士は、イエメンの大富豪の代理人であるチャーミングな女性ハリエット(エミリー・ブラント)から、イエメンの砂漠で鮭釣りができるようにしてほしいと頼まれるけれど、彼にとってそれは完全にバカげた話なんだ。スコットランドの冷たい水に生きる鮭をイエメンの砂漠で泳がせるためのプロジェクトなんて、関わるだけ時間のムダだと思っている。
でも英国政府の思惑もからみ、それはいつしか国家プロジェクトになってしまう。そこで博士は上司に脅され、渋々プロジェクトに関わっていくんだ。
彼は、役所に勤めていてお役所体質を体現しているような男だ。たぶん、つまらない仕事をしているんだけど、仕事熱心ではあると思う。そして作品のはじめの頃は、完全に保守的な人間として描かれているんだ。
マクレガー:監督はとても繊細な仕事をする。とても観察力があって何が必要か分かっているし、経験豊かな監督だから撮影にも無駄がない。無駄なシーンの撮影をすることはないんだよ。自分がどうしたいか明確に分かっているから、撮影もとてもスムーズなんだ。
マクレガー:エミリーは素敵な子だよ。素晴らしい女優だし、演技のセンスがいいんだ。撮影していて共演者とセンスが合うのが1番だ。僕らはとても合っていたし、彼女とはとても仲良くなったよ。だから、その雰囲気は映像にもにじみ出ていると思う。
マクレガー:素晴らしかったよ。とても寒かったけどね。撮影の合間、川から出られなくて川に長時間入りっぱなしだったからね。でも素晴らしいところだった。故郷で撮影できるのはやっぱりいいね。あのシーンはこの映画の魅力のひとつだと思う。ロンドンの都市風景からスコットランドの高地、そしてイエメンのシーン。この3つのロケ地の風景が、映画に深みを与えていると思うよ。
マクレガー:驚くほどに素晴らしい脚本だったよ。そこに最高のスタッフが集まってできた映画だ。俳優陣も素晴らしかったし、映画の材料がとても豊かだ。現場でも、ラッセ監督が作る空気がとても気持ち良かったよ。彼はとても冷静で落ち着いているから、とてもいい現場だったよ。そういう空気感は映像に出るよね。
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