1973年9月12日生まれ、カリフォルニア州出身。2歳の頃からコマーシャルに出演しはじめ、80年代にはモデルとして活躍。俳優にも挑戦し、『ワイルド・スピード』(01年)でブレイク。主な出演作は『バーシティ・ブルース』(99年)、『ワイルド・スピードX2』(03年)、『ワイルド・スピード MAX』(09年)、『ワイルド・スピード MEGA MAX』(11年)、『父親たちの星条旗』(06年)、『逃亡車』(13年)など。
『ワイルド・スピード』シリーズの人気アクションスター、ポール・ウォーカーが主演する『逃走車』が公開中だ。
主人公は、世界一危険な都市と言われる南アフリカのヨハネスブルグへとやってきた男。彼が、予約とは違うレンタカーを配車されたことからとんでもない事件に巻き込まれていく様子が、まるで助手席に同乗しているかのような臨場感あふれる迫力映像で描かれていく。
本作でプロデューサーも兼務したウォーカーに、映画の魅力を語ってもらった。
ウォーカー:シーンのほとんどはワゴン車のなかだったよ。それが主人公の世界だからね。だから、彼が感じ、活動する場所はそこだけだ。彼はそのボックスのなかから動けず、車の外に出ることはできない。ワゴン車がが彼の命の代わりになって、彼はそのなかに閉じ込められる。その上、ここは見知らぬ土地だ。不思議の国に迷い込んだアリスみたいだよ。
ウォーカー:車内搭載カメラでの撮影ということで、肉体的にできることは限られているから、僕の代わりに、車が“肉体的な動き”をしてくれた。ひどくぶちのめされたり、衝突したり、ステレオをぺしゃんこにされたり……。大きなダメージを与えたよ。
問題は、車がそれほど長くもつだろうかということだった。ちゃんと動く代替え車が1〜2台しかなかったからだ。あとは、ショット用や配置に使おうと思っていたスクラップ車だ。でもとにかく始めなくちゃならない。スクラップ車は動かないけれど、激しくぶつけることはできる。何とかそのワゴン車は動き続けてくれて、撮影開始時は6気筒エンジンだったのに、映画の最後では1気筒エンジンになっていた。マジな話でね。
ウォーカー:このシーンに関して、最初の頃、ムクンダ監督らと話したんだ。「マクリーンとは撮影前から知り合わない方がいい。撮影前に会わない方がいいと思う」とね。「じっくり考えよう」というシーンじゃないんだ。このシーンは全く見知らぬ者同士の出会いだ。
撮影前に挨拶ぐらいは交わしたよ。でもマクリーンも状況を理解し、尊重してくれた。それにその場になったら、彼女もそれが正しいと思っただろう。最終的には、僕たちはいい友人になったよ。2日目や3日目からはね。今では一緒に笑い合う仲だ。彼女は素晴らしかったし、とても楽しかった。
ウォーカー:そういう気分は何度も味わったことがあるけど、南アに着いた当初は「アメリカのスターが来た!」って感じだった。でもすぐに、そんな気分はすっかりおさまって、みんなが気楽な感じで話しかけてくれた。南アは僕に良くしてくれたし、楽しい時間を過ごせたよ。
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