1969年生まれ。東京都出身。1987年に光GENJIのメンバーとしてデビュー。ローラースケートを履いて歌い踊るスタイルで一世を風靡した。光GENJI解散後は歌手、俳優として活躍。出演作品に舞台「ちはやぶる神の国」(10年)、映画『魍魎の匣』(07年)、『わさお』(11年)など。また出演のみならず、『怪談・牡丹燈籠 もっともっと、愛されたかった。』(07年)、『捜査線 LINE OVER』(10年)をプロデュース。本作で大沢樹生名義にて念願の監督デビューを果たした。
元“光GENJI”の大沢樹生と諸星和己が20年ぶりにタッグを組んだアウトロー映画『鷲と鷹』が誕生した。主人公の新米刑事・鷹村を演じるのは諸星、そして鷹村の幼なじみにして、ヤクザの道へと進んだ鷲尾を演じるのが、本作で初メガホンをとった大沢だ(監督は大澤樹生名義)。
正反対の生き方を選んだ幼なじみの衝突と友情を描いた本作には、ファンにはたまらないお宝映像も。念願の監督デビューを叶えた大沢に、作品、そして諸星への思いからプライベートな質問までぶつけた。
大沢:そうですね。将来的にはやりたいと思っていました。でも全くの無知ではできないので、お金の使い方や流れ方、時間の使い方などを学ぼうと思って、2作ほどプロデュースをさせてもらいました。とはいえ昨年の夏に今回のお話しをいただいたときは、正直、怯みましたね(笑)。でもこれも何かの縁とチャンスだと受けさせていただいたんです。
大沢:自分のなかでやりたいという企画は何本かありました。なかでも第1回目の監督作品には、ビシっとぶれないものをやりたかった。ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの『ヒート』(95年)のような関係性の、男同士の友情を描いたものを作りたいと思ったんです。
大沢:ふたりの男同士の関係を描くにあたって、お客様の目線に立ったときに、一番説得力があって、納得して見ていただける相方は誰だろうと考えたとき、ふと諸星さんにやってもらえたら面白いんじゃないかと閃きました。それで彼の電話番号を知っているかもしれない共通の友人に片っ端から連絡を入れまして。こういう話があるんだけれど、どうだろうかとお話しさせていただき、受けていただくことになりました。
大沢:本当です。最初に電話をかけさせていただいたときも、マネージャーさんが出られて、「どちらの大沢さんですか?」となかなか繋いでもらえなかったくらいです(笑)。
大沢:脚本家の室賀さんに私のほうからリクエストさせていただいたんです。ちょっとしたシャレというか、ファンのみなさんへのプレゼントテイクということで(笑)。
たとえばあのシーンはキャッチボールでも成り立つんですけど、でもお客さんに楽しんでいただきたかった。ただ作品から浮かないために自然に組み込んでいただきたいとお願いしていました。だから前半の回想シーンにも僕らの学生時代の子たちがローラースケートで遊ぶシーンが出てきます。ちなみに僕がシーンの最後で転んでいるのはガチです(笑)。
大沢:いや、一切(笑)。
大沢:良くも悪くも、成長してねぇなって(笑)。でもそうはいっても、20年って赤ちゃんが成人するまでの長い期間ですから、やっぱり彼も大変な思いをしてきたかもしれない。いろんな経験をお互いにしてきて、この年になって、映画というジャンルを通してビジネスをしたかったというのはありましたね。
大沢:僕が求めたのは彼の存在感とか存在そのものでした。それに彼はきちんと対応してくれた。完成したものを見て、やっぱり“光GENJI”時代を一緒に過ごした独特のバランスが、この20年の時を経たことで、なにかちょっと重みを増していることにすごく喜びを感じました。彼には出ていただいて感謝しています。
大沢:はい、おかげさまで。キャスティングもやらせてもらったんですけど、我ながらそれぞれが役の設定にバシっと上手い具合にはまってくれたと自負しています。
大沢:唯一、徹夜で撮影した場面です。とにかく時間がなかったので、カメラ4台体勢で、それぞれの画質も合わせず、必死で撮りまくりました。アクションはテンポが大切なのでとにかく素材をと。確かにしんどかったですね。
大沢:オープニングからエンドロールの最後の最後まで全身全霊をかけて作っているので、どこだと挙げることは難しいのですが、でも音楽は大切にしましたね。劇中、鷲尾が慕っている親分が殺されてしまい、ライブハウスに仇討ちにいく場面での使い方とか。音楽にも注目して見ていただきたいです。
大沢:今回、第1回の監督作品を撮らせていただきました。向き不向きは自分ではまだ分かりませんが、すごくやる気はあるので、お話があれば積極的にやらせていただきたい。『鷲と鷹』の続編の構想もあります。ただ、まずは1作目をきちんと成功させないことには次はないと思っています。
大沢:ありがとうございます。年も年なので(45歳)、孫感覚が入ってるんです(笑)。ちゃんとしつけとか教育ができるのか心配です。無条件に愛情を注いでしまうようなところがあって。それじゃいけないと思うんですけど。彼女と1日でも長くいたいので、いま禁煙と格闘中です(笑)。妻にも「この子の成人式まで生きたいでしょ」と言われています(笑)。
大沢:不妊治療は私たちも5年近くやっていました。病院に行くときは、ほぼ付き添って行っていました。どうしても女性のほうが大変だったりします。私もそうした苦しさや辛さを目の当たりにしてきました。それに私たちは、ご存知の通り、娘の誕生も死も経験しています。いまご苦労されているご夫婦にも、力を合わせ、支え合って挑んでいただきたいです。それから保険適用外であることも苦労する点です。国には補助というか不妊治療へのバックアップをしっかり行ってほしいですね。
大沢:NO! 絶対にNO!です。
大沢:絶対に反対ですね。自分がいる世界を悪くはいいたくないですが、でも小さくてもいいので、しっかりと幸せを掴んで欲しいです。芸能界はちょっと……。勧められないですね(苦笑)。
大沢:そうですね。ファンの方には20年ぶりの映画での、僕と諸星さんとの共演を、スクリーンで楽しんでいただけたらと思います。そして一般の方、特に男性の方に見ていただけると有難いです。この作品を見て、諸星、おもしろいじゃんとか、この作品、おもしろいじゃんとか、どこか共感する部分を同性の方に思っていただけると本当に幸いです。
(text&photo=望月ふみ)
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