1995年3月17日生まれ。東京都出身。事務所にスカウトされたことをきっかけに芸能界入り。2008年11月からアイドルグループ「ももいろクローバー」のメンバーとして活動を開始し、2011年4月に同グループを卒業。以降は女優としてキャリアを重ね、映画『百瀬、こっちを向いて。』(14年)で映画初主演、ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』(16年)でドラマ初主演を果たす。最近の出演作には映画『走れ!T校バスケット部』(18年)、ドラマ『インベスターZ』(18年)などがある。2018年に一般男性と結婚した。
2011年、「女優として生きていきたい」とアイドルグループ「ももいろクローバー」を脱退した早見あかり。「叶わないかもしれないと思っていた」という女優への道──。しかし、2014年には『百瀬、こっちを向いて。』で映画初主演を果たすと、翌2015年には『ラーメン大好き小泉さん』で連続ドラマでも主演をつとめるなど“女優”としての活動は確実に広がっている。
そして今秋、早見は“硬派”な世界観で人気を博している『MOZU』シリーズのラインナップに新たに加わる『MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所〜砕かれた過去編』に参加。「壮大な世界観」と語る『MOZU』シリーズ出演への意気込みや、女優業への思いなどを聞いた。
早見:決してわかりやすく見やすいという作品ではないのですが、そこが魅力的だなって思っていました。私は普通の恋愛ドラマなどよりは、変わった世界観の作品が好きなので、過激なアクションシーンもたくさんあり壮大なスケールの『MOZU』は好きでした。
早見:クランクインの日が、朝から晩まで香川さんと2人だけというシーンだったので「もし香川さんが優しい方じゃなかったら辛いぞ」って思っていたのですが、そんな心配をする必要がないぐらい優しい方でした。それから、『MOZU』チームってすごく団結力があるので、初参加で戸惑うかも……と思っていたのですが、全然そんなことはなく、香川さんにとても気を使っていただき、すんなりと輪の中に入れていただきました。
早見:お芝居をしているときの香川さんは、普段おしゃべりしている時とは全然違って、自分の世界に入り込む瞬間があるんですね。それを目の当たりにしたときに「こういう風に演技に向かう姿勢があるから、ずっと一線級で活躍されているんだな」って実感しました。元々、香川さんは個性的で大好きな役者さんだったので、そういう一面が見られて嬉しかったです。
早見:ひたすら2人でしゃべるシーンが多かったので必死でした。羽住(英一郎)監督からは「自分の好きなようにやってみなさい」って言われていたのですが、自由にやれる楽しさの反面、何が正解で、何が不正解か終わるまで全然手応えがなかったので不安もありました。打ち上げのときに「大丈夫でしたか?」って香川さんに伺ったら「大丈夫だよ」って仰っていただいて……。大杉探偵事務所で、私がソファーに座って話をするシーンがあるのですが、そのとき、私は無意識だったのですが、音をさせずに芝居をしていたんですね。そうしたら香川さんが「俺はあのソファーに座るとどうしても動いてしまって音をたてちゃうんだよね。それを音一つたてないで演技するなんてすごいね」って言われたんです。そういう部分まで見ているってすごいな〜って思いました。
早見:貪欲に生きないといけない世界だと思っていますが、人と競争するのが大嫌いで、プライベートでもお仕事でも楽しくいたいと思っちゃうんです。何でこの仕事をしているのかなって考えた時、お芝居が好き、写真を撮られるのが好き、人前に立つのが好きというシンプルな理由なのかなと……。「女優として生きていきたいです。だからアイドル辞めます」と言ったものの、その夢が叶わないかもしれなかったし、先のことは分からなかった。その意味では、いま「私の職業は女優です」と胸を張って言えて、ちゃんと消えずにここまでやってこられたのは良かったなって思います。
早見:もちろん目標もあるし、もっと頑張らなくてはいけないと思うのですが、頑張りすぎると空回りしてダメになっちゃうタイプなんです。「ここにたどりつきたい!」という大きな目標を掲げるよりは、コンスタントに色々な役をやらせていただき進んでいく方がいいのかなって思います。
早見:私がお芝居の仕事をしていなかったら、早見あかりという人間でしか生きることができませんが、女優をやることによって、どんどん違う人を演じられます。自分だけの考え方プラス、演じる人の考え方も得ることができるのです。それってとても楽しいです。
早見:個性的な役が多かったので、超定番的な少女漫画の実写化とかやってみたいですね。これまで恋愛ものをやっても、恋が実らない役だったり、忘れられちゃう役が多く、成就したことがないので、幸せストーリーの可愛い恋愛映画なんかをやってみたいですね。
早見:年々女優のお仕事をさせていただく機会が増えて、ゆっくりゆっくり1歩ずつ歩き出しているという感じですね。これまでは考えすぎてよくわからなくなってしまうことが多かったのですが、今は仕事に対して色々と楽に考えるようになりました。いい意味で適当な感じ(笑)。
早見:1年ぐらい前から一人暮らしを始めました。それから色々な人と会って話を聞くようになったのですが、聞けば聞くほど「今の自分では大人になれない」って感じてしまったんです。考え方を変えて、人の良いところを吸収しようって思うようになったら、だんだんと色々なことが見えてきました。
早見:香川さん演じる大杉がなぜ探偵になったのかという過去を明かしていく作品です。私が演じるリサからの依頼によって、大杉が抱えているものが変化していくところなどを見ていただければと思います。脚本を読んで、きれいな描き方で人の心の温かさを伝えるのではなく、ハードな描写の中に、人間味が詰まっていると感じました。『MOZU』ワールドを堪能できる作品だと思いますので、この作品から何かを感じ取ってもらえたら嬉しいです。
(text:磯部正和/photo:中村好伸)
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