1946年1月5日生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。ミュージカル「ヘアー」などに出演し、『アニー・ホール』(77年)でアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞などを受賞し、演技派スターの地位を確立。主な出演作は『ゴッドファーザー』(72年)、『マンハッタン』(79年)、『花嫁のパパ』(91年)、『マイ・ルーム』(96年)、『恋愛適齢期』(03年)など。メグ・ライアン主演作『電話で抱きしめて』(00年)の監督をつとめた他、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したガス・ヴァン・サント監督作『エレファント』(03年)のプロデューサーもつとめている。
『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』モーガン・フリーマン&ダイアン・キートン インタビュー
名優同士が夢の初共演! 前からお互いにファンだった!!
モーガン・フリーマンとダイアン・キートン。アメリカを代表する名優2人が共演する大人のためのラブストーリー『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』が1月30日より公開される。
仲の良い老夫婦が住むアパートの最上階、5階の部屋は、ブルックリンを一望できる素晴らしいところだった。唯一、エレベーターがないことを除いては。年老いて足腰が弱ってきた夫を心配した妻は、エレベーターのある部屋への住み替えを提案するが……。
ロングセラー小説を映画化した本作について、フリーマンとキートンが見どころなどを語ってくれた。
フリーマン:詳しくは覚えていないんだが、向こうから話が来たんだ。空から落ちてきたわけではないが、実際どうだったか詳しいことは覚えてない。
どこかのエージェンシーが映画化を提案してくれたんだろうね。とにかくそれを見てすぐに、これは僕らにぴったりだと思ったよ。僕らはいつも作品を探しているから、その中で自分の好きなものに出会えたというわけだ。その後は出資者を探して、やりたいことを伝えればいいんだよ、空飛ぶヒーローではなく老夫婦の物語を作りたいんだとね。
以前は映画館に来るのは若い観客が大半だったが、今は必ずしもそうではない。団塊の世代が年を取ったからね。それはかなりの数だよ。年寄りが主役の小さな映画でも見る人はいる。ハリウッドも新しい観客の存在に注目し始めた。年寄りの映画を見に来る年配の観客たちだ。
キートン:「あなたは何に価値を見出す?」といった人生の重要な主題を取り扱っていると思うの。この映画に出て良かったのは、自分の生活を見つめ直せたこと、不動産についても冷静になれたことね。アレックス(モーガン・フリーマン)とルース(ダイアン・キートン)は夫婦の約束を守り、病める時も健やかなる時も変わらずに愛し続けた。それは とても難しいことだし、誰にでもできることじゃないのよ。とても賞賛すべきことだと思うわ。
フリーマン:僕が演じたアレックスは、当時、新進気鋭の若手画家だった。ダイアンが演じたルースはそこに絵のモデルとしてやってきたんだ。ルースは若いころから勇敢で芯の強い女性だった。結婚を反対する自分の家族に立ち向かったんだよ、アレックスと結婚するためにね。そして本当に結婚し、二度と過去を振り返らなかった。アレックスは、アーティストだから、すごく敏感なんだ。自分が評価されていないと感じたら「もうダメだ」となってしまう。それでも長年絵を描き続けられたのは妻の励ましがあったからだろう。
キートン:私が演じたルースは、夫のアレックスより夢見がちなところがあるわね、冷静とは言えないわ。アレックスは 時々不機嫌になることがあるけれど、決して悪びれない。ルースはアレックスの仕事上のマネージャーでもあって、全力で夫を守ろうとするところがいいわね。おかしな取引だと思えば夫のために立ち上がる。「うちの夫をバカにしないで」というようにね。それと同時に彼の生活も管理しようとしてる女性よ。
フリーマン:実は僕は昔からダイアン・キートンのファンだったんだよ。尊敬する人で、昔から大好きだった人だ。僕の“やりたいことリスト”にも彼女との共演が入っていた。この映画の話が決まった時、リストを見て、この役にはダイアンがぴったりだと思った。それでお願いをしたら、彼女も“イエス”と言ってくれたんだよ。
彼女とは面識があったが、共演するのは実は今回が初めてなんだ。2008年に僕がブロードウェイの舞台「カントリー・ガール」に出た時に彼女が見に来てくれて、楽屋にも顔を出してくれた。その後、僕から彼女に「一緒に仕事をしよう」と声かけたんだ。映画出演を依頼したのさ。
最初から、ダイアンと僕の相性はバッチリだった。そこから始まって、いい関係はずっと続いたよ。僕自身も俳優だからずっと思っていた、「ダイアンと共演したい、彼女とダンスしたい」とね。今回やっとそれが叶ったわけなんだが、一緒に仕事してみたら思い描いていた通りだったよ。最高に楽しかった。それは最初から変わってないよ、2人が出会った頃からずっとね。彼女はこの映画にたくさんのものをもたらしてくれた。
キートン:私は相手のノリに合わせられるみたい。モーガンともとてもやりやすかったわ。彼は観客に勇気を与えてくれる。 「自分だっていい人になれるんだ」とね。そういう資質を持っている人は滅多にいないのよ。そういう意味で彼は特別なの。彼には人を安心させる力があるから。『ショーシャンクの空に』」でもそうだったように、今回も彼は、私たちの求める“善良な人”だった。「彼がいれば大丈夫」そう思わせる何かがあるのよ。
フリーマン:今回はアパートの中でのシーンがほとんどだったが、特に難しいと思うことはなかったよ。実際には あのアパートの3階で撮影していたんだ、5階ではなくてね。アレックスが犬のドロシーをルースに贈るシーンがあったね。彼女にとってはとても大事な犬なんだ、この夫婦は子どもを持てなかったからね。動物病院でのシーンは面白かったよ、アレックスは犬のための高額な手術に乗り気じゃない。それで“蘇生しない”という紙を手にするけれど、妻の反応を見て“何でもしてくれ”と一気に態度を変えるんだ。犬ではなく妻のためにね。
フリーマン:僕の“やりたいことリスト”にはまだ続きがあって、あと3本ほどプロデュースしたい作品があるんだ。それには僕自身は出演しないで若い人を使うことになると思うが、自分の会社があるから実現は可能だし、するつもりだ。西部劇に戦争映画に宇宙映画だ。
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