1958年、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。ディズニーの特別奨学金でカリフォルニア芸術大学に入学、1979年にアニメーターとしてディズニーに入社する。短編アニメ『ヴィンセント』(82年)で監督デビューを果たした後に退社し、『ピーウィーの大冒険』(85年)で初めて長編映画の監督をつとめる。1989年、『バットマン』が世界的大ヒットを記録。続く『シザーハンズ』(90年)では広く女性ファンも獲得。その後も、『ビッグ・フィッシュ』(03年)、『チャーリーとチョコレート工場』(05年)、『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(07)、『アリス・イン・ワンダーランド』(10年)などを監督。
『シザーハンズ』(90年)や『チャーリーとチョコレート工場』(05年)など数々のヒット作を放ってきたティム・バートン監督が、盟友ジョニー・デップと組んだ8本目の作品『ダーク・シャドウ』。
1960年代に人気を誇ったテレビシーズを映画化した作品で、主人公は、魔女を振ってしまったことによりヴァンパイアに姿を変えられてしまったプレイボーイ。生き埋めにされてしまった彼が、200年後に蘇ったことから巻き起こる騒動を描き出す。
オリジナリティあふれるファンタジーを次々と生み出してきたバートン監督に、製作の背景や盟友デップについて聞いた。
バートン:あるときジョニー(・デップ)が、このテレビシリーズの映画化について相談に来たんだ。彼も僕も同じように、あの作品を見ていて刺激を受けたからね。僕は「これを映画にしたい」という彼の熱意をヒシヒシと感じた。ジョニーのなかで長年温めていたアイデアだったんだ。彼は常に100%役になりきる役者だから、僕はどんな作品になるのかとても楽しみに感じたんだ。
バートン:どの家族にもある、家庭内のドラマを描いている。僕は、その点に惹かれたんだ。ある家族の内情を描いたメロドラマといった感じだね。
200年の時を経て蘇った(主人公のヴァンパイア)バーナバスは、落ちぶれた一家と出会う。それは、以前は裕福だった彼の家族・コリンズ家の末裔で、屋敷は壊れかけ、過去の遺産で生計を立てている状態だった。家族思いのバーナバスは、一家の復活を誓い、自分が生きていた頃の繁栄を取り戻そうと奮闘するんだ。
バートン:彼女とは『バットマン リターンズ』(92年)で一緒に仕事をしていて、彼女が演じたキャットウーマンの演技は今でも僕のお気に入りなんだ。ある日、そんな彼女から思いがけず連絡をもらったんだ。僕がこの映画の企画に正式に参加する前だった。ミシェルは「あなたがこの映画を監督するかもしれないと聞いたわ」と言った。さらに彼女は、僕が監督するなら出てくれると言ってくれたんだ。ラッキーだと思ったよ。
彼女もオリジナル版のファンで、毎朝オリジナル版を見ながらメイクをして「これ見て! これ覚えているわ!」なんて言っていたよ。キャストのなかでジョニーとミシェルがオリジナル版を知っていたので、この映画の奇妙なトーンをすぐにとらえることができてとても助かったよ。
バートン:屋敷も周囲の環境も、この映画の重要なキャラクターなんだ。ディテールは非常に重要だからね。
前作はグリーンバックの映画だったから、今回はセットのある映画で仕事ができて嬉しかった。特殊効果も多用しない分、環境作りがとても大事だったんだ。キャストたちにとっても、作品のイメージを理解するいいヒントになったんじゃないかな。セットに立って、その雰囲気と作品のトーンを知ることは、僕だけじゃなくキャストにとっても大切なことだから。
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