1996年1月12日生まれ。熊本県出身。映画『告白』(10年)、『桐島、部活やめるってよ』(12年)などで注目を集め、13年に第36回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。同年、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』に出演し、お茶の間でも話題に。映画ではほかに、『リトル・フォレスト』(2部作/14年、15年)『PARKS』(17年)、『ここは退屈迎えに来て』(18年)などに出演。大河ドラマでは『西郷どん』(18年)、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(19年)と2年連続出演を果たしている。現在、『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』が公開中。
Production I.Gと女性漫画家集団CLAMPが手掛けたオリジナルアニメ『BLOOD』シリーズの第3作目である『BLOOD-C』。テレビアニメ版のラストでは大きなどんでん返しがあり、ファンの間では様々な意見が飛び交った。その設定を受ける形として制作されたのが劇場公開版映画『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』だ。
本作で、声優初挑戦ながら重要な役割を果たす柊真奈役を演じた女優・橋本愛が、声優の難しさや作品の見どころ、今後の目標などを語った。
橋本:今までのテレビシリーズを見ていたので、最初にお話をいただいた時には、血とか戦いのシーンとか、あまり自分の得意分野ではないかなと……。でも私は(女性漫画家集団の)CLAMPさんの大ファンで、描く作品がきれいですごく好きなことと、私が好きなキャラクターも出ていたので、自分自身の経験としてもいいのではないかと思ってチャレンジしてみました。
橋本:私が演じた真奈ちゃんは一見すると、か弱そうで引っ込み思案の女の子という印象なのですが、実は芯が強くて、後半ではそういう部分が出てきます。可愛いけれど、その一方でとても格好いい女の子です。
橋本:動作をせずに演じることが一番の違いですね。その部分は大変でした。脚本に「!」とだけ書かれている場合、実写だったら表情の演技になるのですが、アニメだとそれも声で表現するんだって……。声や息遣いで演じる方法を学びました。自分が(相手の演技を)受けて発したものではなく、想像で演じるというところが(実写で演じることと)大きな違いだなという発見もありました。
橋本:そうなんです。(主人公の小夜を担当した水樹奈々さんとは)完成披露試写の舞台挨拶で初めてお会いしたんです。水樹さんをはじめプロの声優さんは何パターンの声を出せるのか聞いてみたいですね。私はそんなに多く出せそうもないので(笑)。
橋本:真奈ちゃんは淡々としていますが、芯の強い女の子。その部分は意識しました。監督からの要望もありましたし、真奈ちゃんの心の奥の真んなかにあるものをしっかり出せればいいなという気持ちで演じました。もともと私が(役者として)今までやってきた役柄は淡々としたものが多くて、その部分は自分のなかで培われていると思っていたので、あまり難しさを感じませんでした。逆に感情を出すような役柄の方が、私にとっては難しいのかもしれませんね。
橋本:自分の考えをしっかり持っていて、流されない人は信頼できますね。あとは自分と似ている部分を持っている人だと、親近感が沸いて、そこから信頼につながっていくと思います。お互い支え合えるような関係でいられる人とは強い信頼関係が築けるような気がします。
橋本:実生活では、自分が仲良くなりたいなって思っていても、小夜ちゃんみたいに冷たい態度をとられたら、私は心が折れちゃうだろうなって演じてて思いました。
橋本:私はこれまで結構ありえない役(『貞子3D』の貞子や『大木家の楽しい旅行 新婚地獄篇』の地獄に住む青い肌のヨシコなど)をやってきたので、世界観については違和感を感じないようになってしまっています(笑)。また機会があれば(声優ならではの)自分の体を使わないということを活かした役をやってみたいですね。人間の形をしていないもの……例えば動物とか、得体のしれないものとかが面白いかもしれませんね。
橋本:以前は結構暗い役や、人間じゃない役が多かったので、等身大の普通の女の子の役がやりたいとか、恋愛する役をやりたいとか思っていたのですが、現時点ではピンポイントで「これだ!」というものはあまりなくて、なんでも与えられた役をちゃんと消化できればと思っています。でも私はやりたいこととかがコロコロ変わるので、何ヵ月後とかにはこの考えも変わっているかもしれませんけど(笑)。今は映画を見たり、本を読んだりしていろいろ吸収していきたいですね。
橋本:この映画は、今までのテレビシリーズからのファンの方々が楽しめる要素がすごく詰まった作品です。また、これまでこの作品を知らなかった人も、見れば感情が動かされる映画だと思うので、ぜひ劇場に足を運んでほしいです。
(text&photo=磯部正和)
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