『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』ピアース・ブロスナン インタビュー

「バカになって踊りまくるのみ!」ABBAの音楽を大絶賛

#ピアース・ブロスナン

シェールの歌はゴージャスなメロディーがついた美しい詩の一編のよう

大人気の舞台を映画化し世界中で大ヒットした作品の続編『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』がついに公開! 美しいギリシャの島を舞台にしたシングルマザーのドナと娘のソフィの物語の前日譚と後日譚が明かされていく。

母娘が共に夢見たエレガントなホテルのオープニングパーティの最中のソフィの妊娠が発覚。夫との関係に不安を覚える彼女は、若き日の母に思いを巡らせる……。

ソフィを演じるアマンダ・セイフライドをはじめ、母役のメリル・ストリープ、3人のパパを演じるピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルドに祖母役のシェールなど前作と同じ豪華キャストが再結集し、ABBAのヒット曲にのせて語られる本作について、ピアース・ブロスナンに語ってもらった。

──『マンマ・ミーア!』と言えば真っ先にABBAのノリの良い音楽が思い出しますが、ABBAについての思いや本作を彩る音楽についての感想をお聞かせください。

『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』
(C)Universal Pictures

ブロスナン:『マンマ・ミーア!』の音楽は心の琴線に触れるような、真に喜びに満ちた、人生を謳歌する音楽だ。ABBAのメンバー4人──ベニー(・アンダーソン)、ビョルン(・ウルヴァース)、そして素敵な女性2人(アグネッタ・フォルツコグとアンニ=フリッド・リングスタッド)──は愛のタペストリーを織りなし、人々の心を魅了した。昔も今もね。

──本作のダンスシーンも見応えがありますね。

ブロスナン:本作への臨み方は一つしかない。楽しみながら積極的に入っていくことだ。躊躇したり、恥ずかしがったりしたら、魔法が解けてしまう。だから、「ダンシング・クイーン」が聞こえてきたら、すぐさま全力で飛び込まないとね。すると自分でも気づかないうちにスキップしているよ。文字通り、スキップしているんだ。「ダンシング・クイーン」の踊り方はただ一つ、スキップだ。
 そして、何もかも忘れて全力を注がなければならない。こういう音楽に対してはそういう姿勢で臨むべきだ。ABBAの全ての楽曲において言えることだ。「スーパー・トゥルーパー」など、ABBAのどの楽曲に対してもだ。
 とにかく、最高に楽しい時間を過ごす用意がなければならない。バカになって踊りまくるのみだ。足がもつれて地面に倒れ込んでもいい。ただし、常にスタイリッシュにね。
 ABBAの素材は充分にあるし、素晴らしい物語もあり、作品の中には喜びがあふれている。ABBAのファンは全曲知っていると思うけど、多くの人にとっては素晴らしいサプライズもあるんだよ。

──本作も素晴らしいですが、前作を振り返ってみていかがですか?

『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』プレミアの様子

ブロスナン:前作はあまりに楽しくて素晴らしく、みんな意表を突かれたと思う。『マンマ・ミーア!』の音楽ははつらつとしていて、喜びに溢れていた。ABBAは人々の人生、その過去と現在を繋ぐ愛のタペストリーを織り上げたんだ。

──ソフィには“3人のパパ”がいますが、あなたが演じたサムとの関係性についてのご意見は?

ブロスナン:『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』では、サムとソフィはギリシャのカロカイリ島で暮らしている。1作目以降、サムがソフィの父親となったんだ。彼女には僕の他にもあと2人、愛すべき父親候補がいることを知っていながら、僕を受け入れる。サムとソフィは、ホテルにかつての輝きを取り戻すべく、島で暮らしながらホテルの改装をしている。とても優しくて愛情深い関係だ。

──メリル・ストリープをはじめ、前作と同じ豪華キャストが揃いましたね。さらに、あのシェールがソフィの祖母役で出演しています。

ブロスナン:素晴らしいキャスティングだよね。そして、メリル・ストリープは最も輝かしい衣装で戻ってきたんだ。本作中で最も心に残る瞬間で、そしてそれがすべてを総括することになるんだ。母や娘という立場の人たちには深く共鳴する部分があるだろう。彼女が歌う歌はゴージャスなメロディーがついた美しい詩の一編のよう。素晴らしい成果をあげると思うよ。
 そしてシェール! 撮影スタジオに立ってシェールとアマンダ(・セイフライド)が座って話している姿を見た時は、本当にシュールな光景だと思ったよ。彼女の多才なところ、生き方そして完璧なまでの才能……シェールのことはずっと好きだったんだ。

ピアース・ブロスナン
ピアース・ブロスナン
Pierce Brosnan

1953年5月16日生まれ、アイルランド出身。アメリカのドラマ『探偵レミントン・スティール』(82年〜87年)に主演し人気を得る。95年に『007 ゴールデンアイ』に主演し5代目ジェームズ・ボンドに。『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(97年)、『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』(99年)、『007 ダイ・アナザー・デイ』(02年)に出演後、04年にボンド役を引退。主な出演作は『マーズ・アタック!』(96年)、『トーマス・クラウン・アフェアー』(99年)、『マリオネット・ゲーム』(07年)、『マンマ・ミーア!』(08年)、『スパイ・レジェンド』(14年)、『さよなら、僕のマンハッタン』(17年)など。