樹木希林、強力プッシュで孫・内田伽羅と初共演！会見で「親は渋ってた」と暴露

2011.05.06

テレビカメラに手を振る子役たち。前列左から林凌雅、前田航基、前田旺志郎、内田伽羅。後列左から樹木希林、オダギリジョー、阿部寛

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気分は父親!? 質問に答える前田旺志郎（前列右）を親のような眼差しで見守るオダギリジョー（後列左）と阿部寛（後列右）

前列左から林凌雅、前田航基、前田旺志郎、内田伽羅。後列左から是枝裕和監督、樹木希林、オダギリジョー、阿部寛

国内外で最も注目を集めている映画監督の1人、是枝裕和監督の最新作『奇跡』。その完成報告記者会見が、5月5日の子どもの日に有楽町朝日ホールで行われた。

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ある奇跡の噂を信じた子どもたちの、小さな冒険旅行を描いた本作。この日は、主人公の兄弟を演じた小学生お笑いコンビ・まえだまえだの前田航基と旺志郎の兄弟をはじめ、その友だちを演じた内田伽羅と林凌雅の子役たち、彼らを取り囲む大人たちを演じたオダギリジョーと樹木希林、阿部寛、そして是枝監督が会見に臨んだ。子どもたちが主人公の映画ということで、この日は天真爛漫な子どもたちの元気さとそれを見守る大人たちの優しい眼差しが印象的な、いつもとはひと味違う会見となった。

最初は、2月に父親になったばかりのオダギリに、心境の変化を尋ねる質問が。オダギリは、初の父親役だったので私生活と比べる余裕はなかったと告白。前田兄弟について「（本人たちも）本当にしっかりしている」と絶賛してから、「（しっかり者の子どもとダメな父親という関係なので）親子関係ということは考えず、友だちに話すようなトーンで話すことしかできませんでした」と話していた。

本作で本格的に女優デビュー、瑞々しい演技を披露している内田は、樹木の孫で、本木雅弘・内田也哉子夫妻の長女。そんな孫娘との初共演について聞かれた樹木は、共演シーンはなかったと前置きしてから、自ら孫にオーディションを受けることを勧めたと告白。オーディションは九州の福岡で行われたが付き添いの旅費までは出してもらえなかったと苦笑いしてから、山手線とモノレールを乗り継いで孫を羽田へ送り、初めて1人で飛行機に乗せて送り出したと振り返った。

さらに樹木は、「親は随分、渋ってました」と本木夫妻の反応も暴露しつつ、「是枝監督の作品にちょっとでも入れたら、この子にとって良い思い出になるなと思って無理矢理……」と、彼女の強力プッシュだった出演の経緯を説明。「オーディションじゃない仕事の話も来るんですけど、そういうのに鳴り物入りで出てもだいたいコケますから」と百戦錬磨の女優ならではの感想を語り、記者たちを笑わせていた。

これに対し、「いつもテレビや映画を見ていて、私も出てみたいと思っていた」と秘かな憧れを明した内田は、「是枝さんは素敵な監督だから、この映画に出たらとても良い経験になると思うよっておばあちゃんに勧められて」とはにかみながらコメント。また両親からのアドバイスを聞かれると「自然にやって緊張しないようにって言われました」と話していた。

一方、オダギリの息子役を演じたまえだまえだの兄弟。共演した感想について航基は「すごく格好いいじゃないですか！」とほれぼれとした様子で語ってから、格好いいのでクールなイメージがあったことを告白。「でも、男前なのに意外としゃべってくださったので、もう、すごい方やな！と思いました」と大絶賛。それを聞いたオダギリは照れ笑いを浮かべていた。

本作は九州新幹線の開通に合わせたタイアップ企画だが、これについて是枝監督は「本気でしゃべっちゃうと……」と前置きしてから、タイアップ企画は失敗することが多いので最初は不安だったと告白。だが、「出来上がった映画を見ていただくと分かるのですが、ある種の嫌らしいタイアップ感がキレイにない映画になっていて、これは奇跡的なこと。（普通のタイアップ企画は）いろんな落とし穴があるので、なかなかこうはいかない」としみじみ語り、JRサイドの多大な理解と素晴らしいスタッフ・キャストのおかげだと礼を述べていた。

『奇跡』は6月11日より新宿バルト9ほかにて全国公開される（九州地区は6月4日より先行公開）。