生田斗真がトランスジェンダーの女性役を演じたことでも話題を呼び、開催中の第67回ベルリン国際映画祭において、パノラマ部門、ジェネレーション部門の2部門に選ばれた『彼らが本気で編むときは、』。この映画のプレミア上映が、現地時間2月15日に行われ、生田をはじめ、桐谷健太、柿原りんか、荻上直子監督が登場した。
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本作は『かもめ食堂』(06年)、『めがね』(07年)などで知られる荻上監督の5年ぶりの新作。女性として人生を再出発しようとしているトランスジェンダーとその恋人のもとに、母親に置き去りにされた少女が引き取られてきたことから、戸惑いながらも3人が奇妙な共同生活をはじめるというストーリー。
LGBT(セクシュアル・マイノリティの人たち)にフレンドリーである欧米の中でも、同性婚を法律で認められているドイツ。その首都ベルリンで開催されるこの映画祭で、トランスジェンダーを主役に据えた本作が、正式招待作品として上映されることに大きな意義を感じ、荻上監督、生田、桐谷らキャスト陣がベルリン入りした。
世界3大映画祭(ベルリン、カンヌ、ヴェネツィア)初参加の生田をはじめ、桐谷、柿原らはベルリン訪問に大興奮! 12年の監督作『レンタネコ』以来、5年ぶり4度目のベルリン映画祭正式出品となる荻上監督も感慨深い様子で笑顔を見せた。
舞台挨拶前に実施されたプレスカンファレンス(公式記者会見)では、多くの海外メディアから眩いばかりのフラッシュと質問が殺到する中、荻上監督が「この映画は、2年前に新聞に掲載されていた『トランスジェンダーの息子に、“ニセ乳” を編んで与えたお母さん』という内容の記事を読んだことがきっかけとなりました」と流暢な英語で挨拶。
脚本に対して質問が及ぶと生田は「脚本を読んでとても興味をひかれた。色々な要素が詰まっていて、りんかちゃんや桐谷さんに支えられて、とても楽しかった。この脚本と出会えて、とても嬉しかったです」と答えた。
記者から「女性を演じるのは難しかったですか?」との質問が飛ぶと、「女性を演じることは経験してこなかったことです。仕草や声の1つひとつにこだわり、女性の魂を自身に込める必要がありました。桐谷さんやりんかちゃんにとても助けられました。2人がいたから、真のリンコになれました」と回答。
リンコを心の底から支えるマキオを演じた桐谷は「リンコは自身が思っていることを表に出す女性。マキオは、リンコと出会って世界が一変したのです。彼女を愛し、彼女と一緒に居たい、という気持ちを持っている。その気持ちは僕にもよくわかります」とマキオを演じる上で自身を投影したことを語った。
母親に置き去りにされ、叔父であるマキオの家でリンコに出会うトモを演じた柿原は、「オーディションを受けた200人の中で一番良かった」と荻上監督に絶賛されるほどの逸材。「オーディションでの合格が決まったその日から、撮影が始まるのがすごく楽しみだった」と振り返った。
これに「今日はご来場ありがとうございます。またこの映画祭に参加できて、私のことを受け入れてくれて、とても嬉しいです」と荻上監督も英語で挨拶すると、続いて生田は「みなさま、こんばんは。この作品でリンコ役を演じました生田斗真です。67回を迎えるこの映画祭に呼んでいただいて本当に光栄です。今日は楽しんでいってください。ありがとうございます」とネイティブな発音の英語で挨拶。2人が英語で話す中、次にマイクを持った桐谷は、一歩前に出て観客に投げキスを披露。会場が声援で答える中「こんばんは、桐谷健太です。みなさんが英語で挨拶をしているので、僕は日本語で話します!」と大きな声で宣言すると、万国共通のその親しみやすいキャラクターに、会場は大盛り上がりとなった。
『彼らが本気で編むときは、』は2月25日より全国公開となる。
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