岡田将生、瀬々監督からいきなり「脱いで」と言われてビックリ！

2011.08.11

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命をテーマにした感動作『アントキノイノチ』の完成披露記者会見が8月10日にホテルニューオータニで行われ、キャストの岡田将生、榮倉奈々、原田泰造、松坂桃李と瀬々敬久監督が出席。映画に込めた思いなどについて語った。

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同作は、さだまさしの小説を映画化したもので、心に傷を負った2人の若者が遺品整理の仕事に就き、様々な経験を通じて再生していく姿を描いた話題作。岡田と榮倉のW主演で初共演したのも話題だが、岡田は「タイトルだけ見るとコメディみたいですが、命をテーマにした作品です。ぜひ若い人に見ていただきたい」と挨拶。榮倉も「“命”や“生きる”ということについて考えることが多いこの時代に、それをテーマにしたこの作品に携われたことに感謝しています」と語っていた。

続けて挨拶した原田は、いきなり立ち上がり「間違ったことが大嫌い！消臭〜力〜」と歌を披露。記者席から微妙な拍手が起こるなか「え〜、なぜ歌ったのか、僕も今、深く反省しているのですが」とうな垂れてから、「オファーが来て台本を読んだとき、この映画に出演できたら嬉しいと思った。できあがった映画では、まあ、この2人（岡田・榮倉）がすごくて。見終わった後、2人を抱きしめたくなってきた」と主演の2人を絶賛。さらに「それを温かく見守る（役の）僕のことを抱きしめてあげたくなり、いい映画だなと思った」と、自らと映画の両方を褒めていた。

一方、とてもイヤな青年の役を演じたという松坂は「最初は（演じた）松井という人物にまったく共感が持てず、（役作りに）すごく苦しんで自己嫌悪になりながら撮影に臨みました。でも最後に、松井が誰よりも“生きたい”という気持ちを持っているんだと気づき、そのとき初めて彼に共感できた」と振り返っていた。

瀬々監督はベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞するなど世界的にも高い評価を得ているが、風貌は一見コワモテ。そんな監督の人柄について聞かれた岡田は「第一印象はとても恐い人でした」と前置きしてから、最初の頃、いきなり「脱いでくれ」と言われたエピソードを披露。「ビックリして素直にズボンを下ろしてTシャツを脱いだんですけど、そのとき、『あぁ、僕はもう心を瀬々さんに預けているんだな』と思った」と明かした。また、「僕が泣くシーンの撮影では監督も泣いてくれ、『こんな監督もいるんだな』と。一緒に傷を負いながら撮影してくれた監督で、一緒に仕事ができてよかった」とコメント。

一方、よく人の名前を間違える監督の素顔について語ったのは榮倉。彼女のことを監督は「岡田さん」と呼んでいたそうで、「名前を覚えてくれたのは、撮影が終わる1週間前くらい」と苦笑い。すると松坂も「山でのロケのときに、僕なのか岡田くんなのかわからないんだけど『松岡くん！』と言われて。2人で一緒に振り向きました」と明かしていた。

本作は8月18日から開かれる第35回モントリオール世界映画祭のワールドコンペに出品され、瀬々監督、岡田、榮倉の3人も出席する予定。その感想については「映画祭を楽しみながら、この映画を（映画祭に参加する）みんなと共有できたら」と岡田。榮倉は「いつかは映画祭に行ってみたいと思っていたのですが、まさかこの映画で行けるとは。国境を越えて見てもらえるのは非常に楽しみです」と笑顔を浮かべていた。

クランクインは今年の3月1日。瀬々監督は「（東日本大震災の起きた）11日は町の団地で撮影していたのですが、地震後、スタッフやキャストのなかには『こんなときに映画を作っていていいのだろうか』という心の揺らぎもあった」とコメント。この体験は映画作りにも影響を及ぼしたようで「それ以前は、無縁社会や孤独死など（が注目を集め）日本には人と人の繋がりがないと言われていて、なぜそんな社会になってしまったのかと思って映画を作っていたのですが、震災が起き、みんな絆を求めていたということに気づいた。映画のキーワードでもある『生き残ってしまった心の傷』を、震災を経験したことで実感できた」と語っていた。

『アントキノイノチ』は11月19日より全国公開される。