(…前編「媚びない姿勢で人気!『進撃の巨人』作者もリスペクト〜」より続く
【元ネタ比較】映画『BLAME!』中編
難解といわれたコミックが
わかりやすいエンターテイメントに!
人気アニメシリーズ『シドニアの騎士』の原作者・弐瓶勉によって20年前に連載開始され、海外クリエイターからもリスペクトされているSFコミック「BLAME!」が劇場アニメ化された。原作は、絵柄も含めて日本の漫画のキャッチーで親しみやすいテイストとはかけ離れている。
・超絶にくだらなくてヤバい! 中味はまったくないけど愉快で楽しいおバカ作品
「シドニアの騎士」のほうを先に知っていた筆者としては、「シドニアの騎士」でさえも、あれでまだ親しみやすいように改善されたんだと「BLAME!」を読んだ時は驚いた。
「シドニアの騎士」も一般的なコミックよりはとっつきが悪いが、それでも思えば主人公は黒目がちなつぶらな瞳だし、右も左も分からない主人公とともに世界を知ることができて彼の成長も描かれる。人気アイテムのひとつであるロボットが登場するし、ラブコメやお色気シーンもちょっとはあって、なんとか万人ウケするように趣向を凝らしていたんだろうなと思う。
それに比べて「BLAME!」はキャラクターの目は小さくて表情が乏しいし、絵柄は漫画的で見やすいわけではなくアーティスティックだ。
そんな難解な作品が原作だなんて、自分には敷居が高いなと及び腰になった方! ちょっと待った、そこは安心して欲しい。見れば、心配は杞憂に過ぎなかったと思うハズだ。
アニメーション制作は『シドニアの騎士』もヒットさせたポリゴン・ピクチュアズが手がけ、分かりやすく馴染みやすく、日本アニメの良さが生かされたエンターテイメント作品に仕上がっているのだ。
ポリゴン・ピクチュアズはその社名の通り、3DCGに特化したアニメ制作会社。『トランスフォーマー プライム』など海外作品も有名でエミー賞も受賞する実績がある。昨今は国内でも『シドニアの騎士』シリーズや『亜人』シリーズなどの話題作を生み出している。『ゴジラ』シリーズ初のアニメーション作品である2017年11月公開予定の『GODZILLA』も制作し、これからますます注目が集まるであろう制作会社で、劇場アニメ版『BLAME!』の監督は、『シドニアの騎士』『亜人』『GODZILLA』でも監督を務めたポリゴン・ピクチュアズの瀬下寛之だ。
(後編「殺戮マシン“駆除系”とのバトルシーンは圧巻〜」に続く…)
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