2011年は大きな災害や事故に見舞われた激動の1年となった。そんな今年も残すところあとわずか。慌ただしい年の瀬だが、クリスマスに映画館でひと息つくのも悪くない。特に今年はバラエティ豊かな作品が出揃った。クリスマスや大晦日といった特別な一夜を描く群像劇、胸のすくエンタメ作からラブストーリー、コメディ、不朽の名作やドキュメンタリーまで、幅広い作品が楽しめる。
●『クリスマスのその夜に』
時にユーモラスに時に哀しく、人の心の機微を描く北欧の名匠ベント・ハーメル監督の最新作。ノルウェーの小さな町を舞台に、クリスマスイブの一夜に起きる複数のエピソードを1つに紡いでいく。
子どもたちに会いたい一心でサンタに変装し、別居中の妻の家にしのび込む男、故郷を追われたコソボ出身のカップルの赤ちゃん誕生に立ち会う医師、先の見えない不倫カップル、少年の淡い初恋。様々な人間模様が少しずつ繋がり、深い人間ドラマが展開する。静かに雪が降り積もる北欧のクリスマスの夜、愛する人のもとに帰ろうとする登場人物たちの誰か1人には必ず共感できるはずだ。
・[動画]『クリスマスのその夜に』予告編
●『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』
豪華なクリスマスディナーを目で味わう気分で、ドキュメンタリー『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』に足を運ぶのもいいかも。
料理界の革命児と呼ばれるフェラン・アドリアがオーナーをつとめ、今年7月に惜しまれつつ営業が終了したスペインの三つ星レストラン「エル・ブリ」の内部に迫る。
食材を泡状にする調理法「エスプーマ」をはじめ、革新的な技術を考案してきたカリスマが、通常4月からの秋の営業期間を初めて7月から冬に変更した2009年の準備過程を記録し続けたドキュメンタリーは、料理という名の創造の緻密なプロセスを堪能させてくれる。
・[動画]『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』予告編
●『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』
次は何をしでかすのか? そんな期待に応え続けるトム・クルーズ主演のスパイアクション・シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』。『レミーのおいしいレストラン』などピクサーのアニメで活躍してきたブラッド・バード監督の初の実写映画だ。
ロシアのクレムリン爆破容疑をかけられ、米国政府の後ろ盾をなくした国極秘諜報組織IMFのエージェント、イーサン・ハントと彼のチームが、汚名返上と黒幕が目論む核テロを防ぐために活躍する。
毎回自らノースタントでアクションに挑戦するトム・クルーズが今回も大張り切り。ドバイにある世界一の超高層ビル、ブルジュ・ハリファの側面を滑降する。ジェレミー・レナーやサイモン・ペッグらが扮する仲間たちとのチームワークも丁寧に描かれ、文句なく楽しめるエンタメ大作だ。
・[動画]『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』予告編
●『宇宙人ポール』
SFコメディにしてロードムービーの『宇宙人ポール』は、『ミッション〜』のコメディリリーフ、ベンジー役で大活躍のサイモン・ペッグが、出世作『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』でも組んだ相棒のニック・フロスト、そして毒舌エイリアンと爆笑の珍道中を繰り広げる。
オタクの英国人2人が渡米し、UFOスポットを巡る旅の途中、ポールと名乗る宇宙人に出会う。拘束されていた政府の秘密施設から逃げ出したポールは故郷への帰還の手助けを2人に頼む。長年の地球暮らしですっかりアメリカナイズされ下ネタを連発のポールとの珍道中が始まるが、彼らの前にポール捕獲の命を受けた捜査官が現われる。
『E.T.』や『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』といったSF映画名作へのオマージュが散りばめられ、SF映画と縁の深い大物映画人やスターも出演。マニアならずとも爆笑! おまけに感動まで呼ぶ友情の物語は誰もが楽しめるはずだ。
・[動画]『宇宙人ポール』予告編
このコラムは前後編の2回にわたって掲載。後編は明日12月23日の午前10時にアップ予定です。
(文:冨永由紀/映画ライター)
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