1月15日(現地時間)、アカデミー賞の前哨戦の山場のひとつ、第69回ゴールデングローブ賞の授賞式が開催され、最多6部門ノミネートの『アーティスト』がミュージカル・コメディ部門で作品賞など最多3冠、ドラマ部門では『ファミリー・ツリー』が作品賞、主演男優賞(ジョージ・クルーニー)の2冠に輝いた。
・クルーニー、ブラピ、ディカプリオらが第69回ゴールデングローブ賞男優賞候補に!
ハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)会員によって選出されるゴールデングローブ賞の今年の目玉はドラマ部門の主演男優賞。クルーニーのほかにブラッド・ピット(『マネーボール』)、レオナルド・ディカプリオ(『J・エドガー』)というハリウッドのトップ・オブ・トップのスターが候補に名をつらねたが、妻を亡くした夫を演じたクルーニーが下馬評通りの受賞となった。同部門の主演女優賞は『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』のメリル・ストリープ。迫真の演技で、元イギリス首相サッチャーになりきった。ストリープのゴールデングローブ賞受賞は、一昨年の『ジュリー&ジュリア』に続き、7度目となる。
ミュージカル・コメディ部門では、昨年5月のカンヌ国際映画祭から注目を集めてきた『アーティスト』が作品賞、主演男優賞(ジャン・デュジャルダン)、作曲賞を受賞。デュジャルダンはカンヌでも男優賞に輝いており、モノクロのサイレント映画という異色作の存在感は賞レースの渦中で日増しに大きくなっている。同部門主演女優賞は『マリリン 7日間の恋』でマリリン・モンローを演じたミシェル・ウィリアムズに輝いた。
助演男優賞は2月4日から日本公開の『人生はビギナーズ』のクリストファー・プラマーが受賞。妻の死後、ゲイであることをカミングアウトし、晩年を謳歌する父親を演じた。助演女優賞は『ヘルプ 心がつなぐストーリー』のオクタヴィア・スペンサーが受賞。
監督賞は、3Dに初挑戦した『ヒューゴの不思議な発明』のマーティン・スコセッシで、『ディパーテッド』に続く2度目の受賞。脚本賞は『Midnight In Paris(原題)』のウディ・アレン。
アンジェリーナ・ジョリーの初監督作『In the Land of Blood and Honey(原題)』も候補となった外国語映画賞は、イランのアスガー・ファルハディ監督(『彼女が消えた浜辺』)の『別離』が受賞。アンジーは主演男優賞候補のブラピと共に授賞式に出席したが、そろって惜しくも受賞を逃した。アニメーション映画作品賞はスティーヴン・スピルバーグ監督の『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』が受賞。功労賞にあたるセシル・B・デミル賞は、モーガン・フリーマンに授与された。
今年は、昨年の『英国王のスピーチ』や『ソーシャル・ネットワーク』のように突出した人気作がないかわりに、全体の質が高い混戦模様の賞レース。ゴールとなるアカデミー賞のノミネーションは1月24日に発表、授賞式は2月26日(それぞれ現地時間)に開催される。
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