『櫻の園 ─さくらのその─』キャストが舞台挨拶。高校生制服が着たかった──と無念の菊川怜

1990年に中原俊が監督した『櫻の園』。日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、その年の映画賞を総なめにした名作を18年ぶりにリメイクした『櫻の園 ─さくらのその─』が東京国際映画祭で上映され、福田沙紀、寺島咲、杏、大島優子、はねゆり、武井咲、柳下大、菊川怜、中原俊監督が舞台挨拶を行った。

自作を自らリメイクした中原監督。熱心なファンを目にし、「こんなにたくさんのお客さんに来ていただいてびっくりしております。ドキドキしていたんですよ」と挨拶。舞台となる女子校は桜の樹に囲まれているという設定のため、撮影できるのは春だけ。300校以上をロケハンした末、今年の4月19日から、山形県立寒河江高校で桜の花を背景とした撮影が行われたという。監督は「日本の美しい景色──春の桜の香りを楽しんでいただければと思います」と感慨深げだった。

ドラマ『ライフ』でブレイクした福田沙紀は、本作が映画初主演。「模擬撮影もあったりして、1年以上……もっとかけて作った作品です。前作のバトンを受け継いで、新しい息吹の入った映画になっていると思います」と語っていた。

寺島咲は、「真面目な優等生だけど、心にモヤモヤを抱えているという難しい役どころだったので、この映画を通してとても成長できた気がします」と話していた。

下級生から憧れられる女子高生を演じた杏。「学生キャストの中で一番年上で、ひとりだけ20代を越えていたので、みんなに溶け込めるかどうか分からなかったのですが、とても楽しく演じることができました」。モデルとして活躍してきた彼女だが、父はあの渡辺謙。「今回、映画に初めて出たということで、こうして舞台挨拶に出るのも初めて。ちょっと緊張しております。映画の中でも初めてづくしでした。劇中劇『桜の園』を演じたり高飛びを練習したり、様々な苦労をしました」と“初体験”の感想を述べた。

AKB48の大島優子は、「唯一の彼氏持ちで、ミーハーな役なんですけど、いろいろと問題を起こしながらも憎めない女の子です」と役どころを説明。はねゆりは、「女の子たちが目標に向かって頑張っていく姿が描かれています。撮影中のロケではまるで修学旅行のような気持ちでみんなと過ごして、本当の女子校のような撮影でした」と撮影を振り返った。

メインキャストの中では最年少の武井咲。少し緊張した様子で「初めての演技で不安だった時もあったのですが、一生懸命頑張りました。素敵な作品になっているので楽しんで見ていってください」とコメントした。

“黒一点”の柳下友は「女性たちの中でひとりだけ男ということで、いいスパイスになればいいと思って演じました。サックスを吹くシーンがあるのですが、頑張ったのでそこも見てもらえればと思います」と話した。

先生役を演じた菊川怜も登壇。“教え子”たちの制服姿を眺めながら、「本当はみんなのように高校生の制服を着て出たかったのですが、ダメと言われたので泣く泣く……(笑)」と無念そう。「でも実は、念願叶いまして劇中で制服を着ることが出来ました。どこで私が制服を着ているのか、ぜひみなさん注目してください。抑圧された女子校の厳しい先生役を演じているのですが、みんなの純粋でひたむきな気持ちに影響されて、青春を再体験するような役です。様々な世代が、“今”の青春をきっと感じていただける作品になっていると思います。ぜひ楽しんで下さい」

映画『櫻の園 ─さくらのその─』は、11月8日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開される。

(写真・上:左から武井咲、福田沙紀、寺島咲/下:左から菊川怜、柳下大、大島優子、福田沙紀、寺島咲、杏、はねゆり、中原俊監督)

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『櫻の園 ─さくらのその─』(11月8日公開)公式サイト