モントリオール映画祭に『のぼうの城』監督と上地雄輔が登壇、上映後は拍手が鳴り止まず

左から犬童一心監督、上地雄輔、樋口真嗣監督
左から犬童一心監督、上地雄輔、樋口真嗣監督

ベストセラーの時代劇小説を映画化した『のぼうの城』が、8月28日夜(現地時間)に第36回モントリオール世界映画祭で上映され、犬童一心と樋口真嗣のW監督とキャストの上地雄輔が舞台挨拶を行った。

[動画]『のぼうの城』予告編

これが記念すべきワールドプレミアとなる同作。敵軍武将・石田三成役の上地と兜(かぶと)を被った両監督が姿を現すと、観客たちは大興奮。犬童監督は「この映画は今から450年くらい前に東京の隣の街で本当に起こった話です。当時、日本は戦国時代と呼ばれ、日本中が戦争をして、誰が天下を取るかという戦いをしていました。いつ自分が死んでもおかしくない時代で一生懸命生きた人たちの姿を描こうと思いました」と内容を説明。「日本でもこの映画を見た人はまだいないので、みなさんが一番最初のお客さんです。ぜひ積極的に楽しんでください」と語りかけた。

樋口監督も「これは戦いの話で敵味方に分かれていますが、どっちが正しい、どっちが悪いということはないと思います。現実に争いごとや戦争は起きてほしくないですが、映画なので、みなさん楽しんでいってください」とアピール。

映画化実現までに8年の時間を要した同作。その間には東日本大震災という未曾有の出来事も起こったが、上地は「本当は去年、封切りになる予定でしたが、日本で大きな震災があって、この時期に封切られることになりました。この作品をきっかけに、日本や世界中に力強さや優しさが広がるようになったらと思っています」と、長い道のりの末の上映であることを語っていた。

上映終了後は大きな拍手と歓声が鳴り止まず大好評だったものの、当初予定されていたQ&Aが上映開始時間が遅れたために急遽、中止に。劇場の外では監督や上地たちに直接、感想を伝えたいと観客が列を作る光景も見られた。

モントリオール世界映画祭は毎年晩夏にカナダのトロントで行われる北米最大規模の映画祭で、これまで『おくりびと』(最優秀作品賞)、『悪人』(深津絵里が最優秀女優賞)、『わが母の記』(審査員特別大賞)などがそれぞれの賞を受賞している。今年は8月23日〜9月3日まで開催。上地は現地滞在時間20時間という強行軍にも関わらず、予定されていたスケジュールをすべてこなし、初の海外映画祭を存分に楽しんでいた。

また、『のぼうの城』は、農民たちから「でくのぼう」を意味する「のぼう様」と呼ばれ慕われる奇人・成田長親が、石田三成率いる2万人の豊臣軍にたった500人で挑む姿を活写した娯楽活劇で、『陰陽師II』以来7年ぶりに映画出演する野村萬斎が主演。11月2日より全国拡大公開される。

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『のぼうの城』作品紹介